洒落怖
島の祠

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619 591 sage New! 2012/09/23(日) 18:18:42.67 ID:Goy2a34Z0
時々現れる女の影が私をさらに追い詰めていった。
何の手がかりもなかったけれど、
何となくその場所に行けばわかるような気がしていた。
それは、○○に着いたときに感じていた。
5日ほどその地域の仏閣を回って、たどりついたC寺。
そこに着いたときのことは覚えている。
ああ、ここだ。って思った。
それまでふらふら歩いていた私が、Aを追い抜いてお寺に入っていった。
私 :すいません、こんにちは。
住職:こんにちは、いらっしゃい。
私 :あの…
住職:これは…また…、ご苦労なされたでしょう。
私 :え、わかるんですか?
すごい希望が心に湧いてくるのがわかった。
ああ、これで助かるんだ、と思った。
住職:まずは、ゆっくりお話をお聞きしましょう。
そう言われると、私達は中へと案内された。

620 591 sage New! 2012/09/23(日) 18:20:34.05 ID:Goy2a34Z0
小さな板の間に通されると冷たいお茶が出された。
私は、自分に起きたことを事細かに話した。
残念ながら、住職さんにはその女性についてわかることはなかった。
結局振り出しにもどったのか…と力が抜けるのがわかった。
また、住職さんは私の話に何となく違和感を感じている顔つきだった。
住職:昨年、いろいろなお宅から預かっていたものを供養して燃しました。
それが関係しているのかもしれませんが、なんだか…。
私 :そこに案内してください。お願いします。
私達は境内の空き地に案内された。
なにもなかった。ただの空き地だった。
住職:ここで燃したんです。
私 :燃したものはどうしたんですか?
住職:灰はそのまま埋めました。
私 :掘り起こしてもよいですか?
住職:…かまわないですよ。

621 591 sage New! 2012/09/23(日) 18:21:47.01 ID:Goy2a34Z0
ここで、私が取った行動。
人って追い詰められると正しい判断ができなくなるらしい。
私は、手でガリガリと地面を掘った。
狂ったように掘っていたそうだ。
すぐにAに止められて、住職さんがスコップを持ってきてくれた。
爪が割れて、血が出ていたけどどうでも良かった。
そして、埋められた灰の中からいくつかの木片が出てきた。
布切れもあった。
よくわからないけど、これだって思った。
正直、体力的にも精神的にも限界だったんだと思う。
特に、最後に救われたと思ったのに結局わからなかったのが
致命的だった。
もう、これでもこれじゃなくても良いやと思っていた。
もし違ったらリスクがあっても祓ってもらおうと思った。
そして、私達は木片や布切れをもらって帰路についた。

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