洒落怖
島の祠

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598 591 sage New! 2012/09/23(日) 15:05:50.41 ID:rNtKeau20
Bがすぐに、儀式をした場所を見に行きたいと言い出した。
私も、子供の頃よく遊んだ場所に、そんなところがあるのは驚きだった。
西側に向かって歩いていくと、彼らが歩いたであろう獣道が残っていて
比較的簡単にその場所は見つかった。
他の防空壕に比べると明らかに大きさの違う穴が海の方を向いて開いていた。
高さも横幅も2m以上あったと思う。
そして、その穴に真新しい木の板が穴を塞ぐように打ち付けてあった。
塞いである防空壕はいくつもあったが、こんな塞ぎ方をされているのは初めて見た。
私達が聞いた音は、これを打ち付ける音だったのだと思う。
B :お、あれ、あそこから中見えそうじゃね?
Bが指差したところを見ると、穴の左上あたりに、板と穴に隙間があるのがわかった。

599 591 sage New! 2012/09/23(日) 15:07:51.74 ID:rNtKeau20
背が届く高さではなかったため、AがBを肩車して中を覗こうと試みた。
B :だめ、真っ暗。全く見えないわ。
ってか、なんだこれ、板の奥にさらに布が目張りしてある。
そういって、Bが板に少し体重をかけた時、バリバリッと音がして、
一番上の板がはがれてしまった。
AとBはバランスを崩して尻餅をついていた。
私 :ちょっと、大丈夫?怪我してない?
B :おまえしっかり支えろよ・・・あぶね~。
A :いや、お前が上でバランス崩すのが悪いだろ・・・
とりあえず、AもBも怪我はないようだった。
改めて穴を見てみると、剥がれた板の奥に真っ黒な布が張ってあるのがわかった。
A :板の奥にさらに布って、普通じゃなくない?
B :なんつーか、元に戻して帰った方が良いと思う。
そう言って、二人は剥がれた板を元に戻し始めた。
ただ、長さが2m以上ある板を肩車の状態で固定するのはちょっと無理があって、
どうしても板の反対側を抑える人が必要だった。
周りを見回すと、海にはいくつも岩が落ちていて、
それらを積み上げれば簡単な踏み台は作れそうだった。

600 591 sage New! 2012/09/23(日) 15:11:11.85 ID:rNtKeau20
AとBが数回往復して、50センチほどの踏み台を穴の右側に積み上げた。
身長の関係でAが私を肩車して、Bが板の反対側を抑えることになった。
Bはぶーぶー言っていた。Aは重い、足が太いと言っていた。
私はとりあえず、Aの頭を数回叩いておいた。
板を元の場所に戻そうと持ち上げた時、板の奥に張られた布が
少し剥がれていることに気づいた。
私は、AとBにそのことを伝えて、先にそっちを直そうと言った。
元に戻そうと布を少し引っ張った時だった。西に傾きかけた太陽の光が私の背中に当たるのを感じた。
同時にほんの少しだが、布の隙間から穴の中が見えた。
そこにはおびただしい数の御札が張られていた。
縄に括り付けられた御札が穴の中を埋め尽くしていた。
そして、・・・・・・私は見てしまったのだ。

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