洒落怖
島の祠

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622 591 sage New! 2012/09/23(日) 18:23:02.27 ID:Goy2a34Z0
帰り際、住職さんが、もし何かあったらまたいらっしゃい。と言っていた。
帰りの電車では、久しぶりに眠りにつくことができた。
次の日、私達は神主さんの家を訪ねた。
私 :これが関係あると思うんです。
そういって、木片を神主さんに見せた。
神主さんはまじまじとそれを見つめると、
一言、おつかれさま。と言った。
私はまた、別室に通された。
神主さんは、火を炊きながら私に向かい合うように座った。
今度は、紙のひらひらがついた道具は持っていなかった。
木片を木の台に載せると、ぶつぶつと何か念じていた。
私はただただ、その儀式を見つめていた。
神主:バカじゃないの?
小さな声だったが、そう聞こえた。
私はお腹のあたりが苦しくなるのを感じて神主さんを見つめた。

623 591 sage New! 2012/09/23(日) 18:24:24.12 ID:Goy2a34Z0
相変わらず、神主さんは下を向いて何かを念じている様子だった。

神主さんの声が止まって、長い静寂があった。
神主:ねぇ…
明らかにトーンの違う声で神主さんが私に声をかけた。
そして、神主さんは私の方を見ると歯を見せて微笑んだ。
神主:バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないのバカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?
バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?
バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?
バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの?
神主さんの顔がみるみる崩れて、あの能面のような顔になっていた。

633 591 sage New! 2012/09/23(日) 19:32:21.28 ID:Goy2a34Z0
あと私はただ、涙を流して座っていた。
小躍りしながら能面は部屋から出て行った。
その時、部屋の隅にあの女が立っていることに気づいた。
私 :もう、なんなのよ!いいかげんにしてよ!お願いだから!
私は女に向かって叫んでいた。
異変に気づいたAが部屋に入ってきた。
私 :A、あそこ、見えるでしょ、あそこ。
私は女のいる方に目線を向けてAに女の場所を伝えた。
A :え、あ、うわ、ええ、あ、え??
明らかに錯乱していた。Aにも女は見えているようだった。
A :神主さんは、神主さん、神主さんは?
私は答えずにAの手をとって部屋から逃げ出した。
女は部屋の隅で立ったまま微動だにしていなかった。
私達は車に乗るとすぐにそこを離れて、遠くのファミレスに入った。
私はしばらく泣いていた。
AはBに電話をしていた。

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