洒落怖
地下の世界

この怖い話は約 3 分で読めます。

ちょっとびっくりした僕は「う・・ん、ちょっと散歩でそこまで」と言うと、K子は「あたしも行くからちょっと待っててー」と言って、顔を引っ込めると階段をドタドタ降りる音がして、何か喋る声が聞こえ、出てくるのかと思えばまた階段のドタドタが聞こえ、3,4階階段を上がったり下がったりの音がしてやっとK子が外に出てきました。
その間5分ほどです。

僕が「遅いやないけー」と言うとK子は「まあまあ、気にせんと・・・」と言いながら、
すり寄ってくるプチのペロペロ攻撃を器用にかわしていました。

K子は右手に手さげカバンらしきものを持っていたので、僕が「何それ?」と聞くと、K子は「いいからいいから、はよ行こう」と言ったので、

僕は別に気にすることもなく目的地目指して歩き始めました。

484 本当にあった怖い名無し 2005/06/12(日) 23:02:59 ID:QTUiZp+N0
その間「宿題はもう済んだのか?」「昨日の夜ご飯は・・・」「雨降るかなあ・・・」
「この前のひょうきん族が・・・」「台風のおかげで虫にさされにくいなあ・・・」
「どこまで行くの?」「上のほうのいつも風が強いとこ・・・」
「ああ、そういえば・・・」などのくだらない話をしていました。

やがて目的地の空き地にたどり着きました。

予想通りというかなんというか、道中も台風のせいで風が強かったのですが、空き地の方は普段の何倍も強い風が吹いていました。

プチは風の強さに興奮して走り回りたいようなので、ヒモを放してやるとワンワン吠えながらおおはしゃぎしていました。

当然僕もK子もキーキーキャーキャー喚きながら、風圧で顔をくしゃくしゃにして腕を広げて追い風でジャンプしたり、グルグル回ったりして遊んでいました。

そのままキャッキャと遊んでいると、いきなりドガッシャーンっと
物凄い音の雷が鳴りました。

一瞬で一同石化って感じです。それは文字通り一瞬のことで、プチはすぐに空に向かってわんわん吠え出し、K子は泣きそうな声で「こわいーこわいー」と言いながら僕にしがみついて来ました。

485 本当にあった怖い名無し 2005/06/12(日) 23:04:46 ID:QTUiZp+N0
普段であれば雷など平気なK子ですが、山の中で波打つ草木に囲まれての雷にはかなり恐怖を感じたようです。

僕は「大・・丈夫、大丈夫やんけホラ~」と言うと、
K子は「エヒヒヒ…」と照れ笑いをして手を離しました。

安心したのもつかの間、今度はポツ…ポツポツポツドバーと大雨が降ってきました。

僕が「雨や、あそこ行こ!あの木の下!」と言って近くの大木に向かって走ると、K子は頭を押さえて芝居がかった口調で「ヒィーーー」と言いながら、
僕の後ろからついてきました。

さらにその後ろからはプチもハァハァ言いながら付いてきて、2人と一匹で木の下で雨宿りです。
K子は「すごい雨やなー」と言いながらハンカチで顔を拭いていました。
僕はハンカチを持ってなかったので腕でぬぐいました。

この怖い話にコメントする

地下の世界