洒落怖
地下の世界

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左手の方からはざざーざざーと波の音が聞こえました。
波の音がする方向は真っ暗で、海があるかどうかハッキリしませんでしたが、
ずっと遠くにもたくさんの星空(?)が見えました。
時おり強い風が吹いて、地面のコケが波の音のする方に向かってツツツーと流れていました。

506 19 2005/06/12(日) 23:35:30 ID:QTUiZp+N0
アパートに近づくと、後ろの方にも同じアパートが建ってるのが見えました。
アパートは4階建てで、鉄階段が外付けされてありました。
ざっと見た感じ、横8部屋×4階の32部屋で階段は4つありました。

アパートがいくつあるのか気になったので道の左端に寄ってみると。
はるか遠くの方まで同じアパートが連なってるのが見えました。

一つ目と2つ目のアパートを通り越し、3つ目のアパートまでたどり着き2つ目の階段の4階左側の部屋がお姉さんの住まいでした。

そこまで来ると僕はもうしんどくて、ボインのことなどどうでもよくなり、
ただただ休みたいだけでした。

お姉さんはドアを開けて中に入ると「あんたらも入りー」と言ったので、僕とK子は恐る恐る入りました。

お姉さんが「買い物袋はソファーの上において」と言ったので、僕は「ああ重かったー」と言って、そばにある大きなソファーの上に置きました。

中は暖かく玄関は結構広く、ソファーのほかには、壁に靴箱が埋め込んであり、隣に帽子掛けのような物が置いてありました。
そこにプチのヒモを引っ掛けました。

507 20 2005/06/12(日) 23:36:50 ID:QTUiZp+N0
お姉さんは「ちょっと着替えてくるから待っといて。
あんたらの着替えも持ってくるわ」と言うと、長い廊下を奥の方に走って角を曲がってしまいました。

「着替え」と聞いてしまった僕がじっとしていられるわけがありません。

K子はソファーにもたれて買い物袋をつまんでくるくる回しながら、「牛肉とトリ肉と・・・」などとブツブツ言ってます。
プチも顔を近づけてフンフン鼻を鳴らしています

僕はスっと立ち上がると、壁にかかってるよくわからない風景の絵を見るふりをしながら、早足で奥に向かおうとしたらフッと左手の方から寒気を感じました。

見ると窓付きのボロ目のドアがありそこから冷たい空気が漏れ出しているようなのです。

ドアの上には長めのかまぼこ板のような物が打ち付けてあって汚い字で「しょうちゃんのへや」と書いてありました。

まわりの壁はつやつやの木製でお洒落な雰囲気なので、そのドアの存在が不自然に思いました。

510 21 2005/06/12(日) 23:38:43 ID:QTUiZp+N0
気になった僕は窓に顔を近づけ中をのぞいて見ました。
中は薄暗くて窓ガラスが汚いせいではっきりとは見えませんでしたが何人かの人らしき物がうずくまっているようなのが見えました。

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