洒落怖
ダメだ

この怖い話は約 3 分で読めます。

ちょいと一つ挟みますよ。

俺は小学1年の夏に引っ越して、ど田舎の小学校に転入した。
引っ越す前までは気ままに過ごしてこれたんだけど、
引っ越してからはよそ者ということも含めて周囲から浮いてしまい、
アウェーな生活を送っていた。

そんなこんなで同じ年の冬。
地域のマラソン大会の選手を選ぶためのマラソン練習が始まった。
夜8時ぐらい公民館に地域の大人数人と子供たちが集まり、
公民館からスタートとして夜の山道をぐるっと走って戻ってくる。
子供が走る後ろから、大人が車のライトで照らしながら伴走するのだ。
何度か参加させられていたが、俺はこの時間が一番嫌いだった。

俺は運動ができない。
みんなについていくこともできず、余りに遅れるもんだから
俺は『どう考えても選手には選ばれないのに何で参加させられてるんだ…』
といつも考えていた。

613 本当にあった怖い名無し sage 2010/04/24(土) 23:42:45 ID:Y/Q9tGBt0
ある雨上がりの夜の練習中のことだ。

こういう後ろ向きな考えの子供がモタモタしているものだから
伴走の大人達の苛立ちを買ったのか。車から声をかけられた。

『おい坊主!お前ちっと遅すぎるから、おっちゃん達、先の子たちに付いていくかんな!
車もたくさんは無いから、我慢しろ!先に着いて待っとくからな!』

俺は唖然とした。
田舎の夜の暗さは尋常じゃない。車のライトもなしにどう走れと言うんだ。

『頑張れよー!!』
表向き前向きな言葉をかけながら伴走車は去って行ったが
よそ者の子供を真っ暗な山道に置き去りにする大人達には
心に一物あったのではと疑ってしまう。

車がいなくなると田舎の山道の暗闇が容赦無く襲ってくる。
人家も全然無いので明りなんてロクに無い。
山道のほぼ中間なので、行くも帰るも地獄である。

月明かりにかろうじて照らされる道を吐きそうになりながら走った。(辛くなって時々歩いた)
何度か走ったコースだが、明りがあるのと無いの、後ろに大人がいるのといないのでは全然違う。

暗い!怖い!帰りたい!!
こけた、痛い!水たまりでズボンがドロドロになっているが暗くてどうなってるかもわからない!
膝はジンジンする、涙があふれてくる、でもきっと誰も迎えには来ない。

泣きじゃくりながら走りに走って、
左右から竹がせり出してドーム状に覆われた道に差し掛かったときだった。
ドームが開けた向こうの路上に、淡い月明かりの中、ぽつんと黒い人かげが立っていた。

615 本当にあった怖い名無し sage 2010/04/24(土) 23:48:04 ID:Y/Q9tGBt0

『おじちゃん達のだれかだ!迎えに来てくれたんだ!!』
俺は猛烈に救われた気になって、短距離走ばりのスピードを振り絞って駆け寄ろうとしたがふと思った。
なんで車も無いし電灯も持ってないんだろう。

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  • 匿名 より:

    田舎糞やん

  • ダメだ
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