この怖い話は約 3 分で読めます。
投稿させてもらいます。私はオカルト好きなのですが霊感などはまったくと言っていいほどなく、
今からする話まで体験したことはありませんでした。
私が大学2回生の頃、季節は10月でした。6時ごろに大学の授業が終わり、いつもどおり家まで1時間かけて車を運転して帰ることにしました。
そして、いつも通り帰る旨の報告と何か買い物するか聞くため、携帯を手に取ると2年ぐらい使っていた携帯だったので、この時間ではもう電池が切れかかっていました。
電源を入れるとすぐにバッテリー切れの表示が出てしまうので、「しょうがない、公衆電話から掛けるか」と思い車を走らせました。
私が住んでいる地域はなかなかの田舎で大学までの道路沿いには田んぼがあるのは当たり前という風景です。
通い慣れた道でも、いざ公衆電話を探してみるとなかなかみつからないものでした。
そして20分程、運転しているとやっと見つかりました。その頃には、日が早いせいか辺りはもう真っ暗でした。
見つけた公衆電話の場所というのは、片側一車線の直線道路沿いの街灯の下にありました。近くには小さな売店がありましたが、
もう閉店したらしくシャッターが降りていました。
公衆電話が反対車線側に位置していたので寄せようと思い右ウィンカーを出し、ゆっくりと近づいていきます。
すると、ボックスの中には長い黒髪で白シャツに黒のスカートというスタイルの女性がいました。
当初、私は小雨の電話ボックスに女性というシチュエーションに「うわっ、これもしかして・・・貞子?・・・(笑」と思い、
引き続きゆっくりと近付き、ボックスに並ぼうとする所までじっくり見ていました。
どうやら、普通に電話を掛けている様子を見ると「なんだ、人間か」と内心ガックリ。
そして、5メートルぐらい過ぎた所のボックスとは反対側の路肩に車を止めました。
556 名前: ma–bu◇ 2006/08/05(土) 16:20:14 ID:vylogo8u0
車を止め、振り返りボックスを見ると女性の顔は影になって顎のライン辺りしかみえなかった。
雨が降っているし、ボックスに並ぶのもお互い気まずいだろうから、私は車の中で音楽でも聞きながら待つことにした。
ちょいちょいオーディオを触りながら待ち、ふと振り返ると女性の姿はもうなかった。
「あぁ、迎えでも呼んで反対の方向に歩いていったんだなぁ」と思い、私は、雨も大分小雨になっていたので歩いてボックスに向かうことにした。
ボックスに入ると中はムワッとしていて受話器も濡れていた。
「くっそー雨、嫌やなぁ」とか思いつつ、ちょうど、ポケットティッシュを持っていたので手早く受話器を拭いてジーパンのポケットにティッシュをしまおうとした。
・・・その時、自分の腕と脇腹の間から人の足が確認できた。一瞬、ドキッとして振り返ると先程の女性だった。
うつむき加減な顔は、相変わらず影になって見えない。
「?」と思いつつ、軽く会釈をして電話を掛けようと受話器を持ち直した時、女性がいきなりドアの把手に手を掛けて開けようとした。
私は咄嗟に、折り畳み式仕様になっているドアを内側から太ももと左肘で押さえ付けた。
「なんやねん、コイツ」と思ったが、絶句して言葉は発せなかった。女性は、右手で一定の強さで引っ張っている。