洒落怖
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456 7 sage 2009/08/27(木) 02:36:57 ID:qAzyC9Vy0

翌朝、俺は混乱していた。
朝目がさめると、昨日のOと同じようにお盆の上に水の入ったコップを乗せ、○○川の橋の上に立っていたから。
そして、その横には放心状態のTもいた。
Tは何度か呼びかけても返事がなかったが、肩をゆするとハッとした顔をして俺の方を振り向き、「俺今何してた?
ここどこ?????」と言い出した。
俺は昨晩家の布団の中で寝て、それから今まで起きていなかったはず、Tも同じ状況だったにも関わらず、
気が付いたらここにいたらしい。

俺は気味が悪くなり、ひとまずOに電話をした。
Oは寝起きで最初寝ぼけていたが、事情を話すと俺の家まで来てくれた。
そして、3人で相談してもう一度昨日のお寺へ行って事情を話す事にした。

お寺に着くと事情を解っていたからか、和尚さんはすぐにあってくれた。
3人に起きた事を和尚さんに話すと、和尚さんは腕組みをして暫らく考え込んでいたが、何か思い出したかのように
暫らく席を外すと、お守り袋を3つもって戻ってきた。
そして俺達にこう言った「3人とも、もうこの事は忘れなさい、そしてこのお守りを1年間肌身離さずもっていなさい、
そうすれば今日あったようなことはもう無いはずだから」と。
そして、「フラッシュメモリーだっけ?これは引き続きうちであずからせて欲しい、それでいいか?」と聞いてきた。
和尚さんは何か俺達の身の上に起きた事情が何なのか、何となく解っていそうだったが、結局俺達にはなにも
教えてはくれなかった。
俺達もその事を深くは追求しなかった、とううよりしないほうが良いと感じた。
ただし、和尚さんは一つだけある事を教えてくれた。
まず、俺達に「その資材置き場のような場所か小屋の近くに川はあったか?」と聞いてきた。
Oが「覚えている限りではなかったと思うけど…」と答えると、和尚さんは「そうか…」と言って、続いて
なぜ俺達が無意識に水の入ったコップをもって外に出たのか、憶測を交えながら話し始めた。
どうやら俺達は何か呪いの一種のような物をかけられていたらしく、その「呪術の続き」を川伝いに
俺達へと何者かが送り込もうとしていたらしい、その何者かが人なのかそれとも「それ以外の何か」
なのか、それは和尚さんは教えてくれなかったが、とにかく川を通ってやってきた呪いの受け口と
なっていたのがそのコップと中に入った水らしい。

俺達は「呪いの元」に誘導されて、寝ているうちに家にあるコップに水を汲み、川へと呪いを受け取りに
行っていたという事だった。
このまま何の対策もせず、俺達が呪いの「続き」を受け続けていたら、その後どうなっていたかは
和尚さんにもわからないらしい、ただし“無事ではすまなかった”だろう事は確実だとも言っていた。
このお守り袋は大した力は無いらしいが、少なくとも「俺達の居場所」を呪いの元から解らなくすること
ができるらしい。
そして、1年もすれば呪いの痕跡そのものが消えるため、俺達が操られる事も無いのだという。
お守り袋を貰うと、俺達は特に根拠があるわけではないが、不安感から多少なりとも開放され、
何かほっとしてそのまま各自家に帰った。

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