洒落怖
ぶら下がり男

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700 名前:チキン 投稿日:2001/05/02(水) 01:52
野村よっちゃんのお姉さんの体験談を書きます。
知ってたらごめんよ。

お姉さん(Oさんで)がどこぞにお勤めしてた時の事。
その日もいつも通り仕事を終え、いつも通りに帰宅した。

当時Oさんは親元で暮らしていた。
普通の一軒家だったとの事。
ところがおかしい。
玄関に着いたのだが、何故か家には入りたくない。
こんな事は初めてだった。
「疲れているのね」そう思って家に入った。

家族と食事を済ませ、風呂にも入った。いつも通りだった。
「もう寝る」
居間でくつろぐみなにそう言い、自分の部屋のある二階へと向
かおうとした。
ここでまたおかしな感覚をおぼえる。
上がりたくない、何故かわからぬがそう思った。
けど明日も早いし、家族とテレビを見る気も湧かない。
疲れから来る感覚だと思いそのまま二階へと上がって行った。
Oさんの部屋は二階突き当たりの左側。
なにも変わったとこはない。
が、部屋の前で再び嫌な感覚におそわれた。
さすがにいらぬ事を考えてしまう。
けど家族を呼ぶのも馬鹿らしいし、取り合ってくれないだろう。
意を決してドアを開けた。
窓もベッドもいつも通りだった。
なんだか急に白けてしまい、服を片付けるとそのまま布団に潜
ってしまった。
疲れていたのだろう、すぐに眠くなって来た。

続く。

701 名前:チキン 投稿日:2001/05/02(水) 02:24
続き。

どれ位寝ていただろう。
Oさんはフッと目を覚ましてしまった。
まだ階下からはテレビの音が聞こえて来る。
少し喉が乾いていたが、気にせず眠ろうとした。
Oさんは、右向きの姿勢で丸くなって寝るクセがあった。
その部屋からすると顔を窓の方に向けて寝ている事になる。
気の性か、どこからかギーシ、ギーシと音が聞こえる。
何かが揺れてきしむような不思議な音。
Oさんはなんだろうと思いながらも気が遠くなっていった。

また目が覚めてしまった。
ベッドランプを付けて時間を確かめてみた。
「まだこんな時間」
少し不機嫌になりながらランプを消した。
ギーシ、ギーシ。
何の音?そう思いながらまどろんで行く。
こころなしかさっきより音が大きい気がした。

再び目が覚めてしまった。完全にあの音のせいだ。
「まったくなんなのよ」
こんなに何度も目が覚めるのはめずらしい事だった。
ランプを付けて時計を見る。
あれから二時間しか立っていない。
明日も早い、少しでも寝ておきたい。
そう考えてランプを消した。
目をつぶる。
あの音が聞こえる。
なぜか妙に近くから聞こえる気がする。
フッと恐怖感が湧いて来た。部屋の中?
ドアに背を向ける格好で寝ていたOさんの後ろから音がする。
ギーシ、ギーシ、ギーシ。
一定のリズムで聞こえてくる。
ギーシ、ギーシ、ギーシ。
何故か寒気がして来た。

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