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549 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/08(金) 04:12:27.08 ID:XQ/W8jQK0
13
ぺたり。ぺたり。元借り子の一人の手がと私の額に触れようとした。
その時、「パシン」と元借り子の手をはたくような音がした。
私はすーっと眠りについてしまった。
その瞬間、ざわーっと風が吹いたそうだ。
ざわーざわーざわー。
どこからか風が吹き込んでくる。
チリーン。チリーン。チリーン。
鈴の音が三度。
その直後、
ダン。・・・ダン。・・・ダン!ダンダンダンンダン!
歌舞伎の舞台で、足を「ダン」と床に打つようなラップ音が間隔をあけずに響き出した。
「あ゛%#%$ぎゃ&%&だ#!!!」と絶叫の後、異臭がしなくなったらしい。
皆、「エシ」が去ったと安堵したそうだ。
八日目の朝。
男衆が続々起き出し、自分達の布団に潜り込んで寝ている男の子達五人を起こした。
「あの子、どうした?」
しかし、男の子達は目隠しをやっと取ってもらえたばかり。
私は本家の結界で守られた部屋から消えていた。
550 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/08(金) 04:15:49.71 ID:XQ/W8jQK0
14
そこへ神社の社務所からM家(私がお世話になっていた本家)に電話が入った。
どうやら、神社でにたにた笑っていたらしい。
発見した神主はすぐさまM家に連絡、事情を説明した。
神主が発見した当初、私は手招きをしたそうだ。
「かーしや、かーしや(返せ、返せ)」と言って、神主を神社の裏手へ導いた。
すると、盛り土から異様な臭いがする。
掘り返してみると、真っ黒の箱が出てきて「エシ」を呼ぶための呪箱がいくつも発見された。
私は本家に戻され、二・三日ずっといびきをかいて眠り込んだ。
結界のために張っていた外側の札も内側の札も、私の布団の下に潜り込んでいた札同様、真っ黒になっていた。
結局。
九人中最後まで白を切りとおした三人の女の子は学校へ通えなくなってしまった。
一人は身体の一部の壊死がわかって、身体を部分的に切り落とさなければならない。
一人は肺がしぼみ、内臓がねじれるだけねじれて、おかしな事になった。
もう一人は奇病で、歯が全て抜け落ちて、ありとあらゆるヘルニア(横隔膜や腹膜?)や潰瘍が見つかった。
カイさんは小さい頃からこういうのを目にしていて、「あの三人、もう子ども産めない身体になったなー」と言っていた。
彼女達だけでは「エシ」を作れないから、子どもだけではなく大人にも何らかの被害は出ていたそうだなーと不安だった。
しかし、カイさんが完全否定した。
「多分、箱を作った奴等も切り札はあったと思う。だから、髪を切っただけの子どもが大人の代わりにああなった」
「それにしても、最後に出て来たのは御前を守っている神様や守護霊だったのかな」
「エシをえいえい踏み潰すようなラップ音、すごかったなー。エシもびっくりしただろう」
その後、跡取り息子の奥さんが無事懐妊。
私はその奥さんが無事安定期が過ぎるまでの五月上旬(ゴールデン・ウィーク)までI市に居た。
ゴールデン・ウィーク後、無事地元に帰り、元の小学校のケイコ先生クラスに戻った。
アウトレイジより凄い世界でわろた
怖いというより壮大な創作だな