洒落怖
借り子

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二日目。
吐き気以外は何も症状が無い中、地元の医師Wが訪問診療をしてくれた。
「ストレスかねー。熱もないし、お腹も痛くないかー」
ふと医師が帰り際布団の下に、何かを滑り込ませた。
「何かなー?」と思って、布団の下をめくると、真っ黒い札が出て来た。
「あの薮医者がー!!!」と聞きつけた男衆がWを車から引きずり出して来た。
「すみませんでしたー!許してくださいー!」医師Wが土下座している。
医者Wは昔、違法な手術(堕胎?解剖?何かは聞けなかった)をして、生贄になりそうなものを呪いを行う人へ提供していたらしい。
もうよぼよぼで手術はしていないと言って、Wは帰された。
手元には真っ黒い札が残った。
Wの話では、何やら墨で字が書かれていたらしいが真っ黒ではなかったそうだ。
あんなよぼよぼのおじいさんまで、共謀して子どもを殺そうとする。
そんなに、借り子が悪いのかなーと考えこんでしまった。

544 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/08(金) 03:48:25.31 ID:XQ/W8jQK0
>>540
おじいさんは本心では積極的反対。実際には、消極的反対だったと思います。
特に、我が家と親戚一同、本家に分家は絶対服従とまではいきませんが、「絶対追従」みたいなところがありましたので。
10
三日目。
私はかなり変な事をぶつぶつ言うようになっていたらしい。(全然、覚えていない)
また、亡くなった三人の借り子と違い寝たきりでもなく、何故かブラブラ徘徊する。
(今まで、「借り代」が呪われてもこんな事は無かった)
らんらん鼻歌を歌いながら寝間着を着て裸足でスキップ。
人に出くわすと、「うちんかみきったーあだーが(私の髪を切ったのは誰だ)」と必ずにやにやして聞くそうだ。
そして、九人の子の家の前にさしかかると「きったーがな、きったーがな、かーしや、かーしや(切ったな、切ったな。かえせ?かえせ?)」と喚いてケタケタ笑う。
これには、男衆も「触らぬ神に祟りに無し」状態で、一応ケガをしないように見張りはつけるが放置していた。
そして、最後に「まっとるやー、おあそび、まっとるやー(待ってる、遊ぶの、待ってる)」と言い放って、スキップしながら去って行く。
これは偉いもんに手を出した、と私の髪を切った九人中六人は四日目までに名乗り出て来て、本家に頭を下げに来た。

五日目まで「くーて、くーて、しまい。あー、まちおーし、まちおーし(食べて、食べて、終わり。あー、待ち遠しい?)」と
九人の家に何やら喚きにやって行った私が六日目の朝、突然寝たきりになった。
これには大人たちも首を傾げた。呪いを吹き飛ばしていた様子だったのに、いきなりまた苦しみだした。
「このまま死んでしまうのか?」と当主も焦りだした。
すると、本家のバア様(先代当主の奥さん)がふと、「よーやったわ。後悔するえ」とつぶやいた。
「一族の男、集められるだけ集めろ」とバア様は立ち上がった。
バア様が全てを陣頭指揮を執って、呪いに対抗すべくあらゆる事をした。

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  • 匿名 より:

    アウトレイジより凄い世界でわろた

    怖いというより壮大な創作だな

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