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546 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/08(金) 04:06:55.34 ID:XQ/W8jQK0
すみません。連続規制で途中から遅れて投下になりました。
11
七日目の夜。
男衆が部屋の四隅、壁、障子を囲むように布団を敷いて寝る準備を始めた。
「お着替えしましょうね」
本家の女の人達に呼ばれた子達と一室に閉じ込められる。
私はもう意識はもうろうとしていたが、五人の男の子(10~12才)と同じように目隠しをされた。
次に、女の子ものの浴衣を着せられた。
浴衣の右袖には水晶の欠片を忍ばせ、胸前に懐紙を挟んだ。
そして、口紅をぬってもらって、その懐紙でふき取り、汚れた懐紙を折って結んで、左袖に忍ばせた。
そうして、男衆の部屋の中心に敷かれた敷布団六枚の真ん中に運ばれた。
男衆が内側から札を張り、残った本家の人達が外側から札を張る。
作業が終わると、男衆はそのまま布団で寝て、本家の人達は隣りの仏間の部屋で寝た。
夜明け前の一番空が真っ暗になる時間帯。
空気も冷え、雪は降ってないと思うが霜は下りてる寒さ。
いきなり、何かの気配に鳥肌が立った。
548 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/08(金) 04:09:36.17 ID:XQ/W8jQK0
12
女の人が泣く声と赤ん坊が喚く声が合わさったような「あ゛ー」「ぎゃー」「あ゛ぎゃー」という叫び声が部屋の周りでぐるぐる聞こえる。
バア様が言う「エシ(エズ?)」と呼ばれるものが来たのが皆解かった。
「借り代」は神様や精霊、仏の類と完璧な人間(=成人した大人?)の狭間にいるとされるらしい。
そのため、人間の力ではなく「エシ」に頼んで殺してもらうのだそうだ。
「エシ」に殺してもらうことは病死や事故、事件で死ぬよりも奇怪な死に方をするから、すぐに解かる。
(私が選ばれる前に、息子夫婦の借り子三人は怪死している)
べちゃ、ぺちゃ。
何か濡れ音がする中、血生臭いだけでない獣臭?腐臭以上の異臭が漂い始めた。
多分、人や人の子、獣、神様、悪霊が全部いっしょくたんになった巨大な化け物が這うように動いている。
男衆の中でも、うめき声を漏らす人がいた。
すると、「エシ」は動きを止めてケタケタ不気味に明るく笑い出す。
そんな時。
ブチ、ブチ、ブチと変な音がした。
「キャハハハハ」と小さな子どもの笑い声と共にパタパタ部屋の周りや天井の上、床下を走ったり飛んだりはねたりする音が聞こえる。
「エシ」は今まで殺して来た借り子を死んだ後も逃さず、己の糧にして使役する。
最初は三人。
ブチ、ブチ。その音が聞こえる度に、笑い声も足音もどんどん増えていく。元借り子がエシから分裂したようだ。
そして、元借り子がぺたりと私に触れる。
きっと、五人の男の子達も触れているだろう。
嗚咽を必死にこらえる声が隣りの男の子からも聞こえた。
探しているが、どうも私を見つけられないらしい。
しかし、男の子達はあまりの怖さに耐え切れず、男衆の方へ逃げてしまった。
残された私にどんどん元借り子達が集まってくる。
アウトレイジより凄い世界でわろた
怖いというより壮大な創作だな