洒落怖
天女さん

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979 本当にあった怖い名無し sage 2012/05/30(水) 21:13:02.92 ID:HhN52zwF0
サマドレ姿の女が立ってた。結構大人びて綺麗。
髪も目も黒くて俺好みで姿は清楚なんだけど視線が勝気。
なんか見覚えがあるようなないような。
近づくと手出してきて。
「ケータイ」
鈴を転がすような声で言う。
「はい?」
「だからケータイ。撮ったでしょ。ビビりの癖に」
「…喋れるお化けさん!?」
「違うっ! 役作りのために脱いでたの」
「役作り?」
「自主制作映画の主演やっと掴んだのよ。
ベッドシーンある役だから、度胸つけるために裸になる練習で代用してただけ
雨の日だったら皆出足遅くなると思ってたのに…」
「え?あの…じゃ、扉閉まってたのって」
「内側から鍵かけてたのよ。誰彼かまわず見せる趣味なんてないわよ
当たり前でしょ?さっさとケータイ出して!
こんなところ人に見られたら
メジャーデビュー飾った後にゴシップ誌のネタにされるでしょ
全裸写真なんてもっと最悪よ…出回ったら死んでほんとに化けてでるからね」
「ああ、じゃあ…」
ケータイ出して画像フォルダ画面にして渡す。

980 本当にあった怖い名無し sage 2012/05/30(水) 21:14:19.12 ID:HhN52zwF0
相手の子は俯きながら
「ほんとビビりだよね。
ほとんどまともに写ってないし。
すっごい心配してたけど馬鹿みたい」
なんて一枚一枚確認しながら消していった。
で、その手が止まった。
「…これ、あたしだよね?」
「え?」
「これ…」
例の撮影できてた薄茶けた人型の写真見せられた。頷いた。
「このちょっと斜め後ろにいるのって、誰?」
「え?」
確かに、ぼんやりと輪郭が浮かび上がってる。
今にもこの子に手を伸ばそうとしてるみたいなかんじ。
たちまち膝が笑ってその場で意識が遠のいた。

後期がはじまって、あの人との事も過去になっていった。
かなり変わり者なのに、なぜだか俺はあの娘の事ばっかり考えていた。
特にあの人の事を意識したのはラブレターもらって体育館裏に行った時。
「好きな人いるから、悪い」
向こうに口開かせる前におもっきし体倒して謝ってた。

981 本当にあった怖い名無し sage 2012/05/30(水) 21:15:23.71 ID:HhN52zwF0
あれから、天気予報で明日が朝から雨と出れば体育館に急いで行ってた。
けれど、あの人はやめようって言ったとおり来なかった。
当たり前だよな。知ってる奴がいるんだ。盗撮されたら大変だし。
いくら三流大学でも廃校決定しない程度には人いたからな。
学部が違えばもう他所の世界で名前もしらなきゃ探しようもない。
カフェテラスとかで粘ってても見かけないし。
食堂で粘ってても相手が外で食べる派みたいで見かけない。
段々恋煩いが酷くなってきてて、友人からも心配されるようになって。
それで、一計を案じた。

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