洒落怖
電話

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キャバクラでバイトしてるHちゃんに聞いた話です。

引っ越してきた時、押入れの中に電話が置いてあったそうなんです。
めったに使わなくなってる普通の電話。携帯があれば正直要らないのですが
ま、捨てるのも面倒だし、自分が持ってきた電話に比べて機種も新しい様なので
大家さんには内緒で使わせてもらう事にしたそうです。

ある日のこと、帰宅したHちゃんは宅配業者の「不在でしたから持ち帰ります」との通知を見つけました。
それは通販で購入したDVDで、来るのを楽しみにしていた
物だったので早速宅配業者へ電話をしました。
業者によると「代金引換なので、伺う前にお電話したのですがずっと話中だった」
との事でした。Hさんは誰にでも携帯電話の番号を教えるのがイヤだったので
通販の時には自宅の電話番号を連絡先に指定していたのです。
留守番電話の設定、間違えたのかな?と思い、一応再度設定をし直しておきました。

日曜日に部屋の掃除をしていると、実家のお母さんから携帯に連絡が入りました。
他愛もない話をしていると、お母さんは
「そういえば昨日部屋に電話したんだけど、ずっと話中だったね」と言いました。
何回かかけ直したのですが、2時間近く話中でつながらなかったと言います。
別に急ぎじゃなかったので今日、携帯にかけてきたのだそうです。
「昨夜は友達と食事をしていたから、その時間には部屋に居なかった」というと
「あら?そう?」という事で話はお終いになりました。

お店で最近常連になったUさんは、家電メーカーに勤務しているそうなので
自宅の電話は留守電にしても、設定が上手くいかなくて困るという話をしました。
「なにが原因なのかな?分かる?」と世間話のノリで言ったのです。
豪快で明るいタイプのUさんは「お前は本当にバカだな!」と爆笑しています。
「話中になってるんだろ?お前はバカだから受話器を外してるに決まってるじゃん」と言います。

Uさんは通りかかったボーイさんにもその話をして、二人で笑っています。
「Hちゃんならやりかねないね」とボーイさんにも言われてしまったので、少々
ムッとしたHちゃんはその場で携帯から自宅に電話してみました。

聞いていると5回ほどコールが有った後、留守番電話のメッセージが聞こえて
来ました。ちょっと安心して「ほら、どう?」と携帯をUさんに渡すと
ニヤニヤしながらUさんは携帯を耳に当てていましたが、突然「えっ?」と言って
携帯を耳から離しました。じっと携帯を見つめてからもう一度耳に当てました。

しばらくして、携帯をHちゃんに返し「切られた・・」とUさんが言いました。
「彼氏でも家に居るの?」と言います。Hちゃんはそんな人は居ないし、第一部屋に
今誰も居るわけが無い、と言いました。
「確かに留守電のメッセージは聞いた。だけどその後誰かが電話に出て来て
直ぐに電話を切った」とUさんは言います。
Hちゃんが聞くと、(プー・プー・プー・・・)と音がしていました。

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