ストーカー・きちがいの話
危険な好奇心

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母『いえ、置いてないですけど・・・?』

警官『じゃあこれも【あの女】が用意したんですかねー?』と指差した。
そこには新聞紙の束があった。確かにうちがとっている新聞社の物では無かった。
警官が『ん?』
と何かに気付き、新聞紙の束の中から何かを取り出した。
【木の板】
それには《○○○焼死祈願》と俺のフルネームが彫られていた。

俺は全身に鳥肌が立った。やはり俺の名前を調べ上げていたんだ。
もし警察がパトロールしていなかったら・・
と、少し気が遠くなった。
母は泣きだし、俺を抱き締めて頭を撫で回してきた。

警官はしばらく黙っていたが『実は、あの女、、、少し精神的に病んでまして。。。○○町にすんでいるんですけど、結構苦情、、、まぁ、同情の声というのもあるんですがねぇ・・・』
と、中年女の事を語りだした。

810 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/05/07(日) 05:55:14 ID:UOWDTjZwO

警官『あの女、1年前に交通事故で主人と旦那を亡くしてまして。。
それ以来、情緒不安定と精神分裂症というか。。まぁ近所との揉め事なども出てきだしましてね。。
山で発見された【少女の写真】であの女の特定は出来ていたんですよ。
二年前の交通事故・・・・・あの少女が道路に飛び出したのをハンドルをきって壁に衝突して主人と息子が無くなったんですよ。。。
飛び出した少女は無傷で助かったんですが・・・以来、あの少女の家にも散々嫌がらせをしているんですよ。
ただ事故が事故なだけに少女の家からは被害届けはでてないんですが。。。あの少女を相当怨んでいるんでしょうね。。。』

と。
俺はその話を聞き、同情などは一切出来なかった。
むしろ【中年女】の執念深さがヒシヒシ と伝わってきた。
何よりも警官も認める
『情緒不安定・精神分裂症』
これでは、すぐに釈放になるのではないか?
その後、又、『中年女』の存在に怯え生きていかなければならないのか?
警官の話を聞き、『安堵感』よりも『絶望感』が心に広がった。

それから5年。。。
俺・慎・淳はそれぞれ違う高校に進んでいた。

813 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/05/07(日) 06:10:00 ID:UOWDTjZwO

俺達はすっかり会うことも無くなり、
それぞれ別の人生を歩んでいた。

もちろん『中年女』事件は忘れることが出来ずにいたが、『恐怖心』はかなり薄れていた。

そんな高一の冬休み、懐かしい奴『淳』から電話が掛かってきた。
『おう!ひさしぶり!』
そんな挨拶も程ほどに、淳は
『実は単車で事故ってさぁ・・足と腰骨折って入院してんだよ。』

『え?!だっせーな!どこの病院よ?寂しいから見舞いに来いってか?』
淳『まぁ、それもあるんだけどさぁ。。。
お前、【中年女】の事って覚えてる?事件の事じゃなくってさぁ。。顔、覚えてる?』

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