この怖い話は約 3 分で読めます。
俺の実家、岩手県のとある地方なんだけどさ、毎年帰省するんだけどね。
よく田舎って『本家』みたいなのがあるのは分かるかな?
その一族の本家っていうかさ、要は親戚縁者を統括する家みたいなの。
血筋の出所って言えば適切かな。
まぁそういうのがあるんだわ。
その本家はね、三百年くらい歴史があるその土地の権力血筋だったんだ。
あまり詳しくは書けないけど、立派な造りなんだよ。
ボロっちいけどね。
その本家で俺がまだ当時小学生だった時、夏だったかな、大人達が囲炉裏のあったっていう(今はない)部屋で、何かゴソゴソ話してるの。
もちろん俺といとこは気になっちゃって、こっそり盗み聞きしようとしたんだ。
大人達っていうのは親戚の伯父さんとか、俺のじいちゃんとか、そこら辺の親戚の人間ね。
田舎はコミューンが小さいから、結構血が繋がってるんだ。
人口少ないし。
「・・・どうすん・・・部屋・・・」
「空いて・・・近付くしかね・・・閉め・・・」
みたいなこと話してたんだ。
あまりよく聞こえなかったんだけどさ。
まぁ盗み聞きはソッコーでバレたんだが、親戚の伯父さんが
「おめら、何もきぃてねぇべな!!きぃてねぇべな!!」
って凄い剣幕で俺らに言ってきたんだ。
いつもは超優しい伯父さんだったもんだから、その形相に俺らはビックリしちゃって、何も聞いてないって言ったの。
そしたら伯父さんはいつもの優しい伯父さんに戻って
「そうか・・・」
って胸をなでおろしていたのを今でもハッキリ覚えてる。
時期はお盆でした。
風習も面白いところなんだが、俺らガキは大人達から
「お盆の海では絶対に泳いじゃダメだぞ」
みたいな事をいつも言われてた。
まぁシカトして泳いでたし、そういった霊体験みたいのは何もなかったから全然平気だったんだけどさ。
まぁよく言う海で泳ぐのは危険だから、お盆特有の霊現象みたいなので子供を海へ近付かせない常套句だったんだろね。
これは全国各地である話だよね。
話がちょっと脱線したけど、いつもの夏通りに海へ出かけて釣りしてたの。
釣りへ出かけて楽しんでるとさ、釣りへいつも連れて行ってくれてる親戚の伯父さんが元気ないんだわ。
さすがにガキながら心配になり
「どうしたの?」
みたいな感じの事を言ったんだ。
そしたら、伯父さんは
「どうもしねから、どうもしねから」
って上の空みたいな返事しかしない。
この時点で今ならかなり怪しいと思えたんだが、なにぶん、当時は小学生のガキだったもんでそこまで気にせず釣りを楽しんでたんだよね。
俺らは釣りにすごくハマってて、夜釣りもしてたんだけど、いつも通り伯父さんに夜釣りに連れて行ってくれって俺らは夕方くらいに頼んだの。
伯父さんは何故かかなり拒否して
「今日はやめとくべ」
って言ってきたんだ。
いつもはね
「あべ、あべ」(←行こう。の方言だよ)