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すると力がふっと抜け、玄関に仰向けに倒れてしまった。
Kが僕に顔を近づける。「動け!クソ!体動け!」と必死に意識を保ち体を動かそうとするが、動かない。Kの手が僕の顔を撫でる。
しばらく撫でられ、次は顔に顔を近づけてくる。
顔中、そして首を舐め回す。 認めたくないが、全身の力が抜けてもうどうでもよくなってしまいそうな感覚になってしまう。
なにを考えたのか、顔を舐めているKと目が合った僕は「・・・・なんか言えよ。」と言った。Kは少し笑って行為を続けた。
「やばい。このままじゃやばい。」と思って体中の力を振り絞って「ああああああああああ!!!!!」と吼えながら僕は上体を起こした。
Kの姿は消えていた。体も言う事を聞いてくれた。
「・・・・なんなんだよ・・・・。」と言いながらドアにもたれ崩れる。するとドアの向こうから「ムカつく」と言う声がはっきり聞こえた。
「なんなんだよもう・・・・!」と思いながらドアを開けた。誰もいない。
これが1月頃の話。これから一か月くらいは地獄だった。
分かりました。
次の日、彼女にこんな事話して不安にさせるわけにもいかず、一番信頼できる人、彼女の父親(オーナー)にこの事を話した。
「夢じゃないのか?」僕は「あれは夢じゃないですね。」と言った。
オーナーは「んーー・・・。」と困った顔をしていた。
それを見て、「まぁ、もう大丈夫だと思いますよ。うん。大丈夫です。」と
話を終わりにした。
それから5日後、休日だった僕は深夜、走りに出かけた。
10キロくらい軽く走って、そろそろ折り返そうかと思っていると、急に背中を蹴られたような衝撃が走って、僕は前のめりに手をついた。
「誰だ?」と思って後ろを振り返ると、誰もいない。
というか人気のないところだ。だれもいるはずがない。
「・・・?」と思って前を見ると、10メートルくらい先に、小柄な男が立っていた.
「こいつじゃないよな・・?」と思いつつもここを早く離れようと思い、その男に声をかけた。
「あの、なんか変な男がこの辺りいるみたいなんで、早く離れましょう。」
反応がない。心なしかすこし揺れている。
「あの・・・」と近寄るとその男はドラッグでキまったような顔をしている。
片目がほとんど閉じて片目が半開きで白目を向いている。
さすがにギョッとした。僕はそのままその男を通りすぎて走った。
すると急に左腕をとんでもない力でにぎられた。振り向くとさっきの男がいる。
ものすごく痛い。腕が握りつぶされそうだった。
「なんだよ・・・!はなしてください・・・!」男は反応がない。表情も変わらない。
僕はやむを得ずその男の脇腹に蹴りを入れた。
男は「ぎぁぁぁぁぁぁ!!」と叫んで脇腹を押さえて倒れ足を狂ったようにバタバタさせている。「まずい」と思い「すいません!大丈夫ですか!?」と近づくとまた強烈な力で、左腕の同じ箇所を握りつけてくる。僕はびっくりしたと同時にその男を右手で殴りつけた。男は言葉にならないような叫び声をあげ倒れる。