ストーカー・きちがいの話
隣人

この怖い話は約 3 分で読めます。

未遂で終わったけど今までで一番怖かった話
やたらと推測が多いけれど堪忍してほしい

小学校3年くらいだった頃、一時期俺は小さなマンションで暮らしていた。
爺ちゃんから譲ってもらった家をリフォームするとかで、期間としてはだいたい半年くらいだったかな。
古くてかび臭いマンションだったけど、家の近くでかつ値段が安いとかで決めたらしい。
そして当然のこと安いってことで、入居者はそこそこいるみたいで俺の住んでた部屋の両側にも入居者がいたと覚えてる。
片方は優しそうな老夫婦が住んでいて、もう片方がずんぐりした陰気な男とその母親らしきおばさんの2人が住んでいた。
この男の人を仮にAと呼ぶことにする。
おばさんの方は、朝にいってらっしゃいと声を掛けてくれたり、母さんと談笑していたりとかなり愛想のいい人。
しかし一方で、Aは恐らく何らかの障害を抱えていたのか、ちょっと表情が変で奇行が目立っていた。
455 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/01/26(日) 11:26:52.11 ID:+Dv1i2LY0
例を挙げると、夜に廊下を意味もなくウロウロしていたり、エレベーターの中でブツブツと呻きながら寝転がっていたりと。
そんなだからウチら家族を含め、マンションの人らはおばさんとは仲良くしながらも一定の距離を保っているようだった。
だからなのかは知らないけど、引越しから1月もすると次第におばさんを目にする回数が減っていった。
そして越してきて3月くらい経った頃、何故か完全におばさんを見なくなり、それに伴ってどういう訳かAも姿を消した。
だから多分引っ越したんだろうとその時は思っていた。

456 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/01/26(日) 11:30:35.20 ID:+Dv1i2LY0
そんなある日、俺が学校からマンションに帰ってくると、なにやら奇妙な視線を感じた。
友達が着てるのかなと思って見渡しても誰もいない。おかしいなと思っているとあることに気が付いた。
隣の部屋、Aの住んでいた部屋の扉が少し開いているのだ。
そのマンションの扉は全自動……とかでは勿論なかったが、扉の自重で勝手に閉じる仕組みになっていた。
なので少し空いてるということは、誰かが裏で押えて開けているか、何かがつっかえて閉じないかのどちらかということ。
何だろうな、泥棒あったらダメだし閉じたほうがいいのかな、って思ってジーッと扉を見てると、急にバタン! と扉が閉まった。
その時は驚いたけど、マンション古いし立て付けが悪くなって閉まんなかったんだろうと事故解決してしまった。
ところが翌日再び学校から帰ってくると、また扉が少し開いている。
やっぱ立て付けが悪いのかなぁと思ってその扉の前を通り過ぎようとしたら、今度はキィっと少しだけ扉が閉まった。
その時になって初めて、誰かが扉の向こう側にいるって気が付いた。

この怖い話にコメントする

隣人