子どものころの怖い話
鬼伝説の山

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落ち込みながら歩く俺は、入り口で再び黒い犬を見た。
呼吸をしている様子はない。
やはり鳥肌が立つ。俺は下を向いて進む。
家に入る前に、俺は少しだけ振り返ってみた。
犬はすでにそこにはいなかった。
このままでは本当に殺されると思い、俺は意を決して祖母に相談しようと思った。
まだお札もあるから時間もあるだろう。
居間に行くと、祖母が蹲っていた。
「どうしたのばあちゃん」
「……」
祖母は無言だった。
「俺、助けてほしいことがあるんだ!」
「む、無理じゃ、ワシにはどうにもならん。お前も逃げろ。邪気が消えんのじゃ。鬼もおる。お札はまだあるじゃろう? だからそれを持って逃げろ」
祖母はそれを繰り返しいうだけで、俺の話に耳を傾けていなかった。
逃げられることならそうしたいが、呪詛返しのように奴らは必ず追ってくるだろう。
呪いを絶たなければ意味はない。時刻は十八時になる。じきに日が落ちて夜になる。
そうすればまた奴がやってくる。
今日はUのところへ行くのだろうか。だが、一匹だけとも限らない。
俺はとにかく今夜は奴が簡単に入れないようなところで寝ようと思った。
俺の部屋だと幾分心細かった。

俺は一人、庭にある倉にいった。
窓もなく、頑丈な鍵で施錠できる鉄製の扉があるのだ。
俺は中に入り、人一人分横になれるスペースを見つけた。
溜まっていた埃を履き、その上に新聞紙やタオルケットを敷いた。
台所の棚から持ってきたろうそくを何本か用意する。
倉の中には木の棒やクワなど武器になるものも保管されていた。
俺はさらに必要になるものがないか探っていると、頭部に衝撃が走った。
足元に一冊の分厚い本が落ちていた。
俺が手を伸ばした先に、数冊の本が並べられている棚があってそこから落下したらしい。
俺は手に取って見た。表紙には何も書かれていない。
めくってみると舞い上がった埃ごしに、不気味なイラストと魔法陣が書かれていた。
文字はかすれて読みにくかったが、祓うという文字を発見した。
俺は黒魔術的な何かだと思った。
ネットで呪いのやり方を調べているときに黒魔術も調べていたのだ。
魔法陣もその時に見たものと似ている。
呪いが本当に存在したのなら、黒魔術もしかりだと俺は直感した。
幸い、その本は全頁俺にもわかる言語で書かれていた。
魔法陣の書き方や準備のしかたが回りくどい文章で書きつづってある。
俺は、お札の他にも心強いアイテムが欲しかった。
だから本の手順を踏んで魔法陣を描こうと決めた。
材料は至極単純で、集めるのも簡単だった(手順はあえて省かせてもらう)
俺は赤いペンを持ってきて(本当は異なる)本に書かれている通りに円陣を描く。
これで、奴を祓うことができるのかわからないが、お札も扉に貼ってあり心強くはなった。

俺はもう一度読み返していると、飛ばしていた項があることに気付いた。
道具が一つ足りないことになる。
刃物だった。
俺は包丁を思いついたが、台所まで取りに行かなければならない。
腕時計をみると二十時を過ぎていた。
作業している間に結構時間がかかってしまったようだった。
持ってきたおにぎりも食べ終えている。
昨日ノックされたのは二十二時過ぎだ。
だからまだ大丈夫だろうと俺は取りに行くことに決めた。
扉に近づき、錠を開けようとしたその時だった。
小石が散らばる地面と靴底がすれ違う、僅かなジャリという音が聞こえた。
祖母ではない。
奴が来たんだと直感した。扉の前を行ったり来たりしているのがわかる。
包丁は諦めるしかないようだ。
お札も貼ってあるから、中に入ることはできないだろう。
俺はしばらくその何かをひきづるような音を聞いた。
ふと、静寂が降りてくる。
俺は昨日のこともあってすぐには警戒を解かない。
あの心臓を鷲掴みにするようなうめき声に備えるように耳を塞ぐ。
そうして長い時間が経った。

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  • 匿名 より:

    中二?乙

  • 匿名 より:

    長い上につまらん

  • 匿名 より:

    序盤は面白かったのですが途中から中二病感がでてきて全然面白くなかったです。

  • 匿名 より:

    コメント同意。婆のしゃべり方、標準語なのに「じゃ」とか不自然だし魔法陣のくだりはしっかり萎えて途中でやめた。中二病は早いとこ卒業しなね

  • 匿名 より:

    面白かった

  • 匿名 より:

    厨二好きなら面白いんだろうな

  • 匿名 より:

    魔法陣あたりでファンタジー感満載

  • 匿名 より:

    この程度で長いとかw

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