洒落怖
神降ろし

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内心で最もビビってそうに見えたBが一番最初だったので大丈夫かとか思ってたが、目に少し恐怖の色が
見えたものの、当然のことだが、何も起こらなかった様で普通に戻ってきた。
次に行ったのがAだが、さすが肝試しの発案者だけあって全く平気な様子で戻ってきた。
そして最後の俺の番となった。小さな神社であるため、鳥居をくぐるとすぐに神社の拝殿が見える。
夜の神社というだけで不気味ではあるが、この日は風もあまりなく月明かりも出ていたので、それほど恐怖感はなかった。
拝殿を通り過ぎ、本殿に沿って裏手に回る。俺達が設置した場所に二つの炎が灯った蝋燭が見える。
「やっぱり何も起きないか」と安堵とわずかな失望が入り混じった微妙な心境で最後の蝋燭に火を灯した。
その後、もと来た道を戻り友人達の元に戻った。
864 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:08:45 ID:NTfTxL700
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3人揃った所で、「やっぱり何も起きねーかー。」「でもなんやかんやでこの雰囲気はちょっと来ねぇ?」とか
無駄口を叩きながら蝋燭の元に戻って火の始末をして回収したが、この時もやはり何も起こらなかった。
最後に、何も起きずに無事帰途につけることのお礼と「おさわがせしました」の御詫びをして拝殿を離れた。
そして、後十数歩で鳥居というところまで戻った時だった。
背筋に氷柱を入れられたような悪寒ともに肌が一気に粟立つ感覚に襲われ立ちすくむ。
決して背後を振り返らないように隣を見るとAもBも同じものを感じたらしく立ち尽くしている。
俺「まさか・・・な」
A「おいおい、やっぱ神様怒ってんじゃね?」軽口を叩いてはいるもののその顔に余裕はなさそうだった。

A「出口の自転車のところまで後ちょっとだし、土産話が出来ると思っていっせいので振り向いてみようぜ。」
B「バカいうな。こういうのは見ない方がいいって相場が決まってる。このまま振り向かずにチャリ乗って帰るべきだろ。」
そんな中、その時の俺はというと、今ままで霊体験を一度もしたことがなかったこともあり、恐怖よりも好奇心が勝っていて
俺「いやいや、コレこそが肝試しじゃね?これはいっとくべきだろ。」
そんなこんなでウダウダ言ってる間にも背後の気配は徐々に濃密になっていく。
Bも俺とAに押され、結局全員で一斉に振り向くことに。

最初にぱっと見た限りでは、月明かりに照らされた神社の境内には何も見えなかったが、
目を凝らしてみると自分達と拝殿の間あたりに黒い水溜りのようなものが見える。
「あんなところに水溜りなんてあったけ?」さっき通ってきた時には確かにそんなものはなかったはずだ。
気付くと、つい先ほどまで聞こえていた微かな葉音も止んでおり、耳が痛いほどの静寂に包まれている。

とぷんっ

小石を川面に投げ込んだような水音が微かに聴こえたような気がした。
見ると先ほどの黒い水溜りのようなものに波紋が広がっている。

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