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売れ残り物件

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856 本当にあった怖い名無し 2013/10/29(火) 16:45:07.42 ID:Q/uQmGXT0
そうは言っても、それから1年も経った頃には、G・N・Q・R区画とM宅を除く区画は買い手がついていたのですが、この頃から分譲地に住まわれているいくつかの家庭に立て続けに不幸が起こり始めました。
まず、L宅でボヤ騒ぎが発生しました。
幸い死傷者も出ず、被害も周りに及ぶほどのものではありませんでした。
次に、I宅のご夫婦が離婚され売却する運びとなり、J宅では奥様が交通事故で亡くなられました。

全て偶然なのかもしれませんが、こうも立て続けですと、さすがに不気味過ぎるとのことで、分譲開始から2年を経過した頃、売主業者から私の勤めている会社にG・N・Q・R区画の販売委託の話が持ちかけられ、現在に至ります。

857 本当にあった怖い名無し 2013/10/29(火) 17:05:06.93 ID:Q/uQmGXT0
そのような現場でしたが、私達としては、取り立てて特別視することもなく、いつものように物件を調査し、現地や周辺環境の確認する運びとなりました。
分譲地内の居住者宅を訪問した際、S・T区画には2区画を同時に購入して整骨院を開業した先生が住んでいるのですが、気さくな方だったのでお話を伺ってみたところ、「M宅に隣接している家でばかり不幸が続いているような気がして不気味だよねぇ」と笑っていました。

それから半年後、今から半年前のことなのですが、G区画の買い手がついて「よし、次も頑張ろう!」というタイミングでS・T宅の整骨院の先生が自宅の浴槽で亡くなっているのが発見されました。
親族の方の話を伺ったところ、死因は急性心筋梗塞で事件性はないとのことでしたが、直接お話をした私としては初めてこの分譲地に何か嫌な気持ちにさせられる事件でした。

9月のこと、それまで販売委託されていたN・Q・R区画に加えて、M宅についても委託されることとなりました。
不謹慎な話ですが、自殺物件と聞いて営業部の人間達は大層盛り上がっていたようで、早速何人かの営業が連れ立ってM宅の内見に出かけていきました。

859 本当にあった怖い名無し 2013/10/29(火) 17:11:14.70 ID:Q/uQmGXT0
帰ってきた連中は口々に「あそこはマジでヤバイ!」と連呼しており、何がヤバイのかと尋ねてみたところ、「他の区画と違って空気が重い」、「圧倒的に暗い」、「いくら換気をしても湿った感じがする」等、ありきたりな感想を返してきました。
ひとつ気になったのは、共通して「何もない家の中から“キン!”と得体のしれない音が鳴る。アレがマジでヤバイ」と言うものでした。
柱や床鳴り等を疑ったのですが、その建物は木造住宅で、聞こえてくる“キン!”という音は金属音のような電子音のような、表現しづらいけれど不快な音で、指摘されたような音ではないとのことでした。
そこで営業の一人が質問してきました、
「重要事項説明書(契約前に顧客に説明しなければならない物件の説明書)に入れなくていいの?」
と…

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