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身震いするような寒さでガクガク震え、毛布に包まって寝返りをうち、私の方を向くと、私は夫の方を向いて白い息を吐きながらスゥスゥと寝息をたてていたそうです。

ホッとはしたものの、その吐き出される息がとても冷たかったそうで、たまらず私に背を向ける姿勢で眠りに落ち、目が覚めたら風邪の諸症状が出て調子を崩していたのだそうです。
983 :本当にあった怖い名無し:2013/11/03(日) 15:46:31.87 ID:JgvwbCzL0
四日目、つまりは昨夜、夫は四度目の深夜覚醒をしたそうです。

いつも一緒に寝ている猫の唸り声が目覚めの切欠だったそうです。

我が家の猫は時々この子は犬なんじゃないかと思えてしまうほど誰に対しても人懐っこく甘えん坊な性格で、普段は私の布団の中で一緒に寝ています。

ですが、昨夜は夫が気付いた時には夫の胸元にいて私の方に向かって恐ろしく低い唸り声をあげていたのだそうです。

この子は飼い始めた頃に尿路結石にかかって苦しんでいた時期があったのですが、その時期にあげていた地の底から聞こえてくるような唸り声だったそうです。

真っ暗な寝室の中で、私に向かって唸る猫を確認し、夜目の利く彼にしかわかり得ない何か異常なことが起こっていると察した夫…

携帯を手繰り寄せるや否や画面にタッチし、私を照らし、息を飲んだそうです。
984 :本当にあった怖い名無し:2013/11/03(日) 15:47:21.34 ID:JgvwbCzL0
私の顔が、私の顔ではなかったそうです。

そこにあったのは一日目に見た女の顔…目だけは異様に爛々と輝かせて、白い息を吐きかけてくる私とは違う顔の女…

夫は唸り続ける猫を抱きかかえてベットから飛び離れたそうです。

「今後こそ見間違いじゃない」

そう思って携帯画面をタッチして照らすとそこには先程の女とは違う顔‥見たことのない物憂げな表情の中年の男…

ライトが消える‥画面をタッチする‥恰幅の良さそうな別の顔の男の顔…

ライトが消える‥画面をタッチする‥やつれた中年女の顔…

ライトが消える‥画面をタッチする…また別の顔…

同じ行程を繰り返し、その度に現れる別の顔に恐怖しながら、夫は私を起こそうと何度も名前を呼び続けていたそうです…だけど私は目覚めない…

堪らず私の(?)顔に自分の布団を掛けて寝室を飛び出し、猫を抱きかかえながら和室に閉じこもり、震えながら一夜を明かしたそうです。
985 :本当にあった怖い名無し:2013/11/03(日) 15:48:40.73 ID:JgvwbCzL0
「おまえは今、おまえなのか?」

話し終えて夫が聞いてきましたが、当の私は全く覚えていない状況です。

現に今も普段と何も変わらず仕事をしてますし、周りの社員の皆も普段通り接してくれてますし…。

取り敢えず、「あんたはそうやってまた遠回しに私を不細工だって言いたいのね」と言って仕事に出てきましたが、夫の話を聞いて、鏡を見るのが少し怖くなってしまいました。

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