洒落怖
ある殺人者の話

この怖い話は約 3 分で読めます。

「ドン」

と叩かれた。
たぶんサバイバルナイフで刺したのだろう。
私はなんとか鍵をかけることができ、チェーンをかけトイレに向かい鍵をかけた。
しばらく息ができなかった。

三時間はトイレにいたと思う。
トイレから出て玄関を見る。
思った通り黒い封筒が落ちていた。

1/4
僕は今日は殺人者に会える気がした。
夢に咲弥と母さんが出てきたからだ。
悲しそうな顔をしていた。
はやく幸せにしてあげたい。

2/4
咲弥と母さんの予想通り殺人者の家に行ったら殺人者に会えた。
咲弥と母さんが会わせてくれたんだ。
殺人者は逃げた。
せっかく会えたのに。
幸せになりたくないのか。
不幸せが好きなのか。

3/4
僕は階段を昇った。
殺人者に幸せを与えるために。
咲弥に幸せを与えるために。
母さんに幸せを与えるために。
父さんに幸せを与えるために。
みんなに幸せを与えるために。

4/4
殺人者は僕に会ってはくれなかった。
僕は悲しくはなかった。
またすぐ会える。
家族が僕の味方をしてくれる。

私は警察に電話をした。
予想通りの回答が返ってきた。

「よくある悪戯じゃないですか?」

「悪戯じゃありません!手紙もちゃんとあるし扉にナイフで叩かれた跡があると思います!すぐ逮捕してください!」

「よくあるんですよ。一人暮らしでかまってほしくて、自作自演する人が。こんなことするならボランティアにでも行って少しは人の役に立つことをしないさい」

そう言われて私は電話を切った。
自分でやるしかないな。
自分であいつを。
気が付いたら台所にある包丁を見ていた。
手を包丁から離す。
私は何をやろうとしているのか。
殺人者になるくらいなら私はいっそ死にたい。
でも本能がそうは言ってない。
自分の体を赤く染めたいと思っているに違いない。
あの夢のようにあいつを・・・

朝、目が覚め洗面所に行き顔を洗った。
鏡に写る自分の姿を見てみた。
一瞬私の顔じゃないものが見えたような気がした。
私の顔だけど私の顔じゃない。
冷酷で暖かさをまったくもたない顔。

大学で鞄を開けたら台所にあるはずの包丁が入っていた。
いついれたんだろう。
周りにばれないようにそっとかばんの奥にしまった。
何かに操られているかのような感覚がした。
その日は真っ直ぐ家に帰る気がしなかったので気分転換に電車に乗りぶらぶらと歩き回った。
結局何も目的がないのですぐに帰りの電車に乗った。
降りる駅が近くなったので出口に向かい電車の扉が開くのを待つ。
電車が止まり扉が開いた。

『ドンッ』

私に人が何かぶつかった。

「あっ、すいません」

私はそう言い振り返ったが誰もいなかった。
電車から降りて何か異変に気付いた。
周囲の人が私を見ている気がした。
私はそんな視線を気にもせず地面に向かって足を出す。
地面が反転したような気がした。

この怖い話にコメントする

  • 匿名 より:

    長いしつまらない

  • ある殺人者の話