洒落怖
ある殺人者の話

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気付いた時、その手紙は濡れていてインクが滲んでいた。
私はその手紙をくちゃくちゃに丸めてゴミ箱に捨てた。

『何なんだ。何でこんなことになるんだ。』

ゴミ箱に捨てた手紙に視線を向ける。
健二が手紙から出てくるような気がした。
私は台所に行きその手紙を燃やした。
私は手紙が燃え尽きるまで見守った。
なかなか燃えなかった。
このまま永久に燃え続けるのではないのかと不安に思っていた。
その日はバイトが入っていたけれど、部屋から出れそうにないので友達に電話し、代わってもらった。
私はじっと玄関を見つめながらその日を過ごした。
他に何もする気が起きなかった。
ただ玄関を見つめていた。
誰かが訪れるのを待つかのように。

次の日は大学の講義があったので誰かに代わってもらうわけにはいかず部屋から出なければならなかった。
家をゆっくりと出る。
何年か振りに太陽の光を浴びたような気がした。
大学に行き、無事講義も終わり友達が飲みに行こうと誘ってきた。
私は嫌な気分を吹っ飛ばすために飲みに行こうかと思ったが、酔って帰ってもし健二がいたら逃げ切れない。
都合が悪いと言い断った。
帰りにホームセンターに行き痴漢撃退用のスプレーとブザー、ガムテープと非常食、木の板をかごに入れ、レジに向かおうとした時あるものが目に入った。
金属バット。
夢で健二を殴っていた金属バット。

『買おう・・・これがあればあいつを殺せる。この非現実的な時間が終わる。これを買えば』

手にしようとしたとき、はっと目が覚めたような気がした。

『私は殺人者にはなりたくない。』

その言葉が頭に浮かんだ。
なんで私はこんなことを思うようになったのだろうか。
なにが私を変えたのだろうか。
自分の体が誰かに乗っ取られていく感じがした。
気が変わらないように急いでレジに向かった。
本屋に行き『撃退!ストーカー、通り魔、痴漢、盗難・女性のための防犯マニュアル』を買い、スーパーで長持ちする食材を買って家へと向かった。
スプレーを鞄で隠しながら行き、無事家に辿り着いた。

すぐに計画していたことを開始する。
窓の鍵がかかっているかを確認し、木の板をガムテープで窓に貼り付けた。
窓に人影が写るのが怖かったからつけたと思う。
郵便ポストにも木の板をつけたかったが木の板が足りなかったのでガムテープだけで我慢した。
その日は疲れたので非常食を食べ、シャワーを浴び防犯マニュアルを軽く読み眠りにつこうとした。
眠れる気はしなかったのだが、いざベットに入って目をつぶっていれば自然と寝れるもんだろうと思い、ベットに向かいその日は寝れたと思う。

朝起きて一番に玄関に向かった。
郵便ポストにつけていたガムテープが何かで切られていてまた一通の黒い封筒が落ちていた。
中身を見ずに捨てようと思ったがどうにも気になったので見ることにした。

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  • 匿名 より:

    長いしつまらない

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