洒落怖
けもの

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ああ、やっぱり怒られるんだろうかと俺が不安だった俺は、正直戸惑った。
じいちゃんはおもむろにどこかへ電話をかけ始めた。
俺と弟は玄関口に連れ出され、ばあちゃんにビンの酒をいやというほど浴びせられた。
そして子供の砂かけ遊びみたいに塩をまかれた。

274 俺の体験した話4 sage 2009/07/07(火) 00:37:24 ID:MDJEHio50
電話を掛け終わったじいちゃんは俺たちのところへやってきて、
とても真剣な表情で「もうお前たちをこの家に上げるわけにはいかん。
俺たち(じいちゃんたち)が生きている間は、決してこの家へは来るな」と言った。
弟は突然の拒絶に「どうして?どうして?」と言って泣き喚いた。
俺もじいちゃん家が好きだったから、とても悲しかった。

俺たちが落ち着くと、じいちゃんは「それはな、お前らがこの土地の守り神を怒らせてしまったからだ。
守り神っていっても、うちにおる仏さんみたいな優しいもんじゃない。」
といって、俺たちにしばらく説明してくれた。

要点をまとめると、昔この土地に住み着いた先祖が神様に生け贄を捧げて、末代の祟りと引き換えに富を手に入れたこと(狗神憑きみたいな感じ)。
うちで殺生が禁じられているのは、仏の教えというよりもその神さまに付け入る隙を与えないためであるということ。
もし神さまを起こした場合は、誰かが犠牲になってこの土地に縛られ、祟りを受けて鎮めなければならないこと。
…などを説明してくれた。

話のあとで、じいちゃんは「今夜だけは帰れん、けど安心しろ、じいちゃんたちが守ってやるから、
明日朝一番に帰るんだ」といって、その日だけは泊まることになった。

やがてじいちゃんの電話の相手が来た。俺の見知らぬ女の人で普通のおばちゃんに見えたけど、
あとから聞いた話では、土地ではかなり有力な霊能力者らしい。
おばちゃんは俺たち兄弟を一目見るなり「あら、これは大変なことになっちょるね。
ともかくこれをもっときなさい」といってお札を一枚ずつ渡してくれた。

姿の見えなかったばあちゃんは寝室の準備をしていたらしく、俺たちは仏間に泊まることになった。
仏間は小さな部屋で、一つだけある窓も新聞紙で目張りされていた。
そこには布団が二つと、普段はないテレビ、お菓子などの食料が用意されていた。
じいちゃんは俺たちに「いいか、これからお前たちは二人だけで夜を越えなければいかん。
その間、じいちゃんもばあちゃんもお前らを呼ぶことは決してない。
いいか、なんと言われても、絶対にふすまは開けるなよ。」と念を押した。
276 俺の体験した話5 sage 2009/07/07(火) 00:46:22 ID:MDJEHio50
俺たちは怖かったからじいちゃんたちに一緒に寝て欲しかったけど、そういうわけにはいかないらしい。
ともかく、二人だけで寝ることになった。
はじめのうちはテレビを見たり話したりして過ごしていた俺らも、
だんだんと疲れが出てきて、いつの間にか眠ってしまった。

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