この怖い話は約 3 分で読めます。
375 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/05/04(月) 07:30:00 ID:nuJ7Q8cXO
>>374
なるほど。
人の悪い婆さんだ。
この婆さん、全て知ってて俺をあんな目に遭わせてくれやがったらしい。
『いんや、違う』
予想外です。
なら何が面白いものだったのか?
お婆さんは『紅仏様の側で寝たら面白いものが見れる』と言った。
俺はてっきり眠ったらだと解釈し、“面白いもの”とは夢を指すのだろうと思い込んでいた。
だから昨日も眠ろう眠ろうとしていた。
しかし違った。
寝ると言うのは一晩過ごすと言う意味で、その晩に俺はあの魔物“ヒトアラズ”に遭遇したのだ。
それ以外は覚えがない。
『違う?では“面白いもの”ってなんなんですか?』
『お前は逃げる時に何か見たはずじゃ、何を見たか覚えとらんのか?』
実に素っ頓狂な質問である。
何度も言うように昨日の晩に俺が見たのは“ヒトアラズ”だ。
それは婆さん自身が説明してくれたではないか。
他には何も見て…いや、待てよ。
何か忘れている。
逃げる最中に感じた既視感、俗にデジャヴュと呼ばれるそれを俺は確かに感じた。
そうか!転んだあの時だ!
確かに俺は見た。
フラッシュバックのようにそれを見た。
『思い出したかい?』
376 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/05/04(月) 07:32:28 ID:nuJ7Q8cXO
>>375
『お婆さん、【赤い仏像】に使われた血は何処へ捨てるんですか?』
『牛の子にあげるんじゃよひゃひゃひゃ(笑)』
ビンゴだ。
恐らくはあの場所、俺が突っ伏した時に感じた血の匂いはそれだ。
『ヒトアラズを呼び寄せる時には、必ず人身御供が用意されますよね』
『ほうじゃほうじゃひゃひゃひゃ(笑)』
『それは集落の人間ですね』
『ほうじゃほうじゃひゃひゃひゃ(笑)』
『呪いを成就させるにはそれなりの犠牲が必要じゃ。犠牲を払ってでも遂げたい呪いが在ったとも言えるの』
俺は水をグイと飲み干した。
『お話と介抱、ホントに有難うございました』
『帰るのか?若いの?』
『はいお邪魔しました』
379 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/05/04(月) 08:00:12 ID:nuJ7Q8cXO
『あ、それと太郎ですが…』
『なぁに気にする事は無いよ(笑)あれはこういう時の為に作ったんじゃからひゃひゃひゃ(笑)』
『作った?』
『ほうじゃほうじゃ(笑)毎年決まった時期に線香の灰を混ぜた酒を飲ませてな』
ニヤリと笑った。
『こうなると予見してたんですか?』
『念のためじゃよ。念のため身代わりくらいは立てとかんとな』
『じゃあ、お婆さんは俺の命の恩人ですね。適わないなぁ(笑)』
『また飯でも食いに来いひゃひゃひゃ(笑)』
380 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/05/04(月) 08:02:17 ID:nuJ7Q8cXO