洒落怖
赤い仏像

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384 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/05/04(月) 08:11:47 ID:nuJ7Q8cXO

前と同じように俺は逃げた。
シシガコミで前と同じように転んだ俺は全てを思い出した。
前の俺はまだ子供だった。
前の時も逃げてはいたが、追い掛けてくるのはヒトアラズでは無かった。
転んだ俺を押さえつけるそいつは…長だった。

寺の下に飼っている猫の世話をしに来た子供は寺の中を見ていた。
激しく言い争う二人。
長はもう一人を祭具で殴り殺した。
そして此方を向いた。
ビクリとしてかがみ込む。
『誰だ?』
長の声が聴こえる。
子供は走った走った。
だがやがて転び、追い付かれ今にいたる。
首を絞められ薄れて行く意識の中、視界には魔物が写っていた。
名をニンゲンと言う。

以上が俺が見た映像だ。
お婆さんが言うには余所者を消す為に儀式は行われ、人身御供が用意されるとの事だった。
だが前世なのか他人の体験なのか知らないが、俺が見た映像を考えるとどうやら違うらしい。
いつからか集落を守る為の儀式は、都合の悪い集落の人間を消す為の、体の良い免罪符になっていたのだ。

紅葉色の頬をした中居達と女将に見送られ宿を後にする。
車を走らせていると、どこからかまたあの遠吠えが聞こえビクリとする。

鮮やかな葉が降り注ぐ。
ある秋の日の出来事だった。

387 本当にあった怖い名無し New! 2009/05/04(月) 08:33:41 ID:g/Kqdn/TO
>>386
お疲れ様でした。とても面白かったです。質問いいですか?
『ほうじゃほうじゃ(笑)毎年決まった時期に線香の灰を混ぜた酒を飲ませてな』

太郎は犬ですよね?なんでお婆さんは太郎にそんな酒を飲ませていたのでしょうか?

また『昨日か、昨日は山菜ご飯とサバの煮付けに里芋のふかし、ほうれん草のお浸し…』
そこまで言うとばつが悪そうにこちらを見た。

これは 何でばつが悪そうに…なんでしょうか?また誰が誰に対してばつが悪いんでしょうか?

388 本当にあった怖い名無し New! 2009/05/04(月) 08:46:32 ID:nuJ7Q8cXO
>>387
お婆さんは山にヒトアラズが出るだろうと懸念してました。そこで同じ獣(犬)である太郎に何かあった際の身代わりになるよう育てて(作って)いたのです。

ばつが悪かったのは痴呆が演技だとバレたからです。
主人公は敢えて昨夜の献立を尋ねました。
それに乗せられついお婆さんはペラペラと晩餐の内容を語ってしまいましたが、途中ではめられたと気付いた訳です。

そこは、その後の文に今まで『婆さん』とだけ表記されていたのに急に『痴呆の婆さん』も笑った。>>と書いて判りやすいようヒントを出してあります。

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