洒落怖
若先生もどき

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若先生には顔がありませんでした。

俺たちは凍り付きました。
声も出せずに若先生じゃないモノと睨み合い、
友達の誰かが叫びながらテントに逃げ出すのを合図に、
俺たちは一斉にベンチから離れようとしました。

899 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/09/27(火) 09:50:58.28 ID:mDp7iWd00
そのとき、若先生じゃないモノが凄まじいスピードでこちらへ向かって一本橋を渡り始めました。
一番出島に近い場所に座っていた俺は、長時間の正座で足が痺れていたのと、
あまりの恐怖に腰が抜けてしまい、呆然と迫りくる何かを見つめていました。
橋を渡りきった若先生じゃないモノが俺に掴み掛かり、
威嚇するように何もない顔面を俺の顔に寄せてきたとき(距離にして10cmぐらい)、

「お前達! なに騒いでる!」
俺は目だけで声の方向を見ると、酒盛りの蚊帳から本物の若先生がこちらへ近づきつつありました。
若先生じゃないモノは若先生に顔を向けると、もう一度俺に向き、
手を離して出島へと駆けて行きました。
若先生じゃないモノは出島のつつじの前で立ち止まると、そのまま消えてしまいました。

その後は若先生にテントに戻る許しを得て(いま起きた事は信じてくれませんでした)、
全員がテントに転がり込みました。
なせか”明るければ幽霊は来ない”ということになり、
手持ちの懐中電灯全部でテント入り口を照射し、怯えながら朝を待ちました。

901 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/09/27(火) 09:55:07.86 ID:mDp7iWd00
翌朝、俺達の話を先生の誰もが信じてくれませんでした。
車でやってきた貸しボート屋のお爺さんに話すと、
お爺さんは思い切り目を見開いたものの、
「助かったな。この山に夜近づくな」とだけしか言ってくれませんでした。

これが俺が殴れないものへの対策として、占いやオカルトとか心理学に走ったきっかけです。
【余談】
テントに転がり込んだ後、重大なことに気づきました。トイレは外です。
俺の排水タンクが危険水域に達したものの、かといって外に出て行くのも怖い。
友達に同行を頼んでも、先ほどの恐怖から抜けていないので拒否られる。
じゃあテントから○ん○んだけ出して用を足せよ、と友達に言われましたが、
俺が「ち○ち○だけ持って行かれる!」と泣き叫んでいる間にダムが決壊してしまいました。orz
通常なら”お漏らし野郎”といじめのネタになるものですが、
同じ恐怖を共にした者同士なのか、その後誰一人として俺のお漏らしには触れませんでした。

903 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/09/27(火) 09:59:40.65 ID:mDp7iWd00
このお話はここまでです。

占いについては板違いなのでコメントしません。

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