厳選怖い話
添い着

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じゃあ話しますね。
僕が小学生の頃だから10年以上前のことになるのかな、うん。
それでね、僕その頃(つーか今も)人付き合いが苦手な子だったのね。
どのグループからもあぶれてるって感じで。
でもある時同級生の何人かと一緒に日曜遊びに行くことになったの。
先週の土曜ワイドで地元の公園が殺人現場になったんでそこ見に行こうとか言って。
前日ドキドキして眠れなかった。

で、当日お弁当作ってもらって時間より20分早く待ち合わせ場所に行ったの。
ところが他のメンバーはなかなか来なくって結局全員揃ったのは30分も過ぎた頃。
でも僕は文句なんて言わなかった。
笑ってた。
まず最初に駄菓子屋とか銭湯のゲームコーナーに行くことになって、唯一ゲーマーだった僕は早速ストⅡをやった。
それなりに続いて終わったあと周りを見渡すと誰もいなかった。
チャリでその辺回っても誰もいなかった・・・

『撒かれた・・・』

僕は泣きそうになった。
リュックを背負うと中でまだ暖かい弁当の熱が背中に伝わってきて、涙が出そうになった。
帰ろうかと思った。
でも訳話すの恥ずかしいし、せっかく作ってくれた母親に申し訳ない気がして、どこかその辺のベンチで食べてしまおうかと思った。
でも夜の内に降った雨がまだ乾いてなくてそれも止めた。
しばらく道の端に佇んでいるとふつふつと怒りが込み上げてきた。

『こうなったら是が非でも追い付いてとっちめてやる!』

そう思ってペダルを漕ぎまくって公園に向かった。
そこは歓楽街からは大分離れていて、チャリでも20分近くかかる。
途中空が曇り始め、まだ2時前だというのに薄暗くなってきていた。

公園に着くと、駐車場に連中のチャリが停めてあるのが目に入った。

『くっそー』

と思い僕はこっそり行ってとっちめてやろうと、離れた木陰にチャリを停めて公園に入っていった。

その公園は中に滝があり、そこから幅広の川が流れていた。
例の殺人現場は赤い橋のたもとの浅瀬の岩肌が洗濯板のようになっている所だった。
ぐるっと見渡しても誰もいなかったので、僕はそこに降りてみようと遊歩道から川に降りる階段の方へ歩いた。
階段の所まで来ると橋の下が見えるのだが、そこにも人の姿はなく代わりに妙なものが見えた。
青いビニールシートにくるまれた細長いものが浅瀬に置かれていたのだ。
場所が場所なのですぐに死体を想像してしまう。
それは大人にしては短く、大体僕と同じぐらいの長さに見えた。
少し怖かったがまだ昼過ぎだし好奇心が勝って、もっと近くで見てみようと思い、それでも降りて行くのは怖いから橋まで戻って上から覗こうと思い、走って戻って橋のたもとに着いていざ覗こうとすると何やら下からがさがさ音が聞こえてきた。
そっと手摺から頭を出すと青い物体の側に2人の男が立っていた。
僕はとっさに

『やばい!』

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