洒落怖
夏休みのバイト

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動物の音にしてはなんか規則的過ぎるし、そもそもあんな音を立てるような動物は全く想像がつかない。
俺はちょっと怖くなってきていたがAとBに「窓から外を確認してみないか?」と提案した。
AとBも怖かったみたいだが、音の正体は皆気になるので窓のほうへと3人で移動し、カーテンを少しずらして
外を見てみた。

すると、もう一つの建物の玄関のところに何かがいる。

201 夏休みのバイト4 sage New! 2011/05/05(木) 20:51:57.32 ID:dLlXuy+O0
薄暗い月明かりしか明かりが無いので何なのかは良く解らないが、大きさ1mちょっと、子供くらいのサイズの
何かがゆらゆらと揺れながら黒っぽいものを引き摺っているのが見えた。
俺達が声も出せずじっとそれを凝視していると、それはズリズリと何かを引き摺りながら建物の影へと消えて
いった。

完全に見えなくなってから更に2~3分過ぎた頃、Aが「なんだあれ…」と声を挙げた。
俺が「人…か?」と聞いたのだが、Bが「あんな小さい人って子供か?子供がこんな山奥に、しかも深夜に
いるか?ありえねーよ」と答えた。
それもその通りだった、では、あれは何なのか。
Aが「…一応、確認しにいくか?」と提案した、その時完全にびびっていた俺は「いや、どうせ明日あっちの建物の
片付けするんだし、その時一緒に確認すればよくね?」とやたら早口に即答した。AもBも内心ビビってたらしく、全員そうしよう
という事でその場は無理矢理寝る事にした。

翌朝、疲れとは明らかに違う理由で俺達の足は重かった。
重かったが、流石に今は昨夜のあれについて確認しないわけにはいかない。俺とA、Bは近くに落ちていた棒を
持ち、恐る恐る昨夜あれがいた辺りの藪を突付き始めた。
暫らくそうしながら別荘の裏側の藪を調べていると、棒の先に何か柔らかい物が当ったのがわかり、俺はAとBを
「おーい、こっちになにかあるっぽいんだが」と呼んだ。
藪を掻き分けて見ると、それはヘドロ状というかなんというか、どろどろしたなんだか良く解らない黒い色の物体で、
良く調べてみるとそこにあるだけでは無く点々とあちこちに落ちていて、後をたどっていくと別荘の裏の壁にもベチャッ
という感じで張り付いていた。
更にその物体の後を辿ってみると、どうも別荘の縁の下のほうにも跡が続いているように見えた。

が、それ以上は何も無い。
縁の下のほうも見てみたのだが、入り口の辺りに例のどろどろした物体があるだけで奥のほうには無さそうで、
俺もAもBもなんか妙に期待はずれというかgdgdになってしまって、そのまま微妙な空気のまま引越し作業の続きを
する事にした。

202 夏休みのバイト5 sage New! 2011/05/05(木) 20:52:52.98 ID:dLlXuy+O0
昼過ぎ、2階部分がある程度片付き出し、そろそろ休憩しとくかとBと話していると、1階にいたAが「ちょっとこっち来てくれ」
と俺達を呼んだ。
1階に下りていってみると、Aは例の雨漏りがして床が腐っているという廊下の手前辺りにいて、俺達を手招きしている。
Bが「どうした?何かあった?」というと、Aは「この奥で何かガサガサ音がするんだが…何かいるんじゃねーか?…昨日
のあれとか…」と真顔で言っている。
俺は一瞬ゾクッっとしたが、ビビってることを悟られないように「じゃあ確認してみるか?」と、行きたくは無いが廊下の奥の
方へと歩いて行こうとした。
すると、奥の方からガサッ!ゴトッ!ガサガサ!と何かが蠢く音が聞こえてきた。

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