洒落怖
拾った石

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80 本当にあった怖い名無し sage 2009/08/25(火) 01:39:46 ID:EovYKoXKO
小学生の時遠足で行った川で、石を拾って帰った。
珍しい形だった。円柱で、赤茶の苔がこびりついて、野球のボールくらいの大きさなのにやけにずっしりと重かった。
幼い俺には、それが宝石のように見えて、眺めてはニヤニヤしてた。
ある日、石を誰かに自慢したくなり、父に宝物だと石見せた。

ポケットから出した石をみるなり父は
「あっ!!」
っと驚きの声を挙げ、怖い顔になった。そして青ざめ、どこで石を拾ったのか問い詰めてきた。
緊張した雰囲気の父に怯えて○○川だ、と恐る恐る答えると、今すぐ石を捨てるように言われた。
泣いて嫌だと拒んだが半ば強引に石を奪われた。俺は泣きながら台所の母に、お父さんが僕の石を捨てると助けを求めた。
最初は味方だった母は、父に石を見せられると、すぐに一緒に石を捨てるように言ってきた。
そうやって夜11時くらいにわざわざ近所の川に石を捨てに行った。
父が石を川に投げ込んだ後、父と母が手を合わせて
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ」
と呟いているのが不思議だった。

それから、何十年も経って父になんで石を捨てたのか尋ねた。
父は苦笑いしながら言った。
「ああ、あれな。石じゃないよ」
「え?」
「鉛だよ。手持ちハンマーの鉛の部分だった」
「なんで捨てたの?」
「だって血がこびりついてたんだもん」

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