洒落怖
夏休みのバイト

この怖い話は約 3 分で読めます。

次に隣のもう一つの方の説明になったのだが、玄関を入るとちょっとカビ臭い、あとなんか妙に陰気な気もする。
おじさんは気にせずあがり説明をし始めたのだが、最後にまだ行っていない1階の廊下の奥のほうを
みながらこう説明した。
「あの奥はやらなくて良いよ、以前雨漏りしてね、それ以来床がモロくなっていて危ないんだ、奥の部屋には
大した荷物も無いし、そのまま取り壊すから」ということらしい。
なるほど、カビ臭いのはそのせいかとちょっと納得した。
一通り説明が終ると、おじさんは俺達に名刺を渡し「じゃ、よろしくね」というと帰って行った。

初日は午後からの作業ということもあり、ある程度片付いている最初に説明してくれた奥側の建物の二階
の荷物を1階に降ろす作業をし、夕方にやってきたさっきとは別のおじさんのバンに荷物を乗せ、1日目の
作業を終らせた。
俺達はかび臭いほうの建物に泊まる気はなかったので、さっき作業をした方の建物のリビングに
寝泊りすることにし、夕食を食い風呂に入ると、疲れていたこともあり早めに寝てしまった。

200 夏休みのバイト2 sage New! 2011/05/05(木) 20:51:13.28 ID:dLlXuy+O0
翌朝、朝飯を食っているとBが変なことを言い出した。
「昨日さ、夜変な音聞かなかったか?」Aが「変なって?」と聞くと、Bは「いや、夜ちょっと目が覚めてトイレ
いったんだけどさ、その時に外から何かを引き摺るような変な音聞こえてきたんだよ…、なんか気味悪くてさ」
という。
俺はBが俺達を怖がらせようとしてるんだなと思い「またまたー」と笑いながら言うと、Bは真顔で「ネタじゃねーって、
マジ聞いたんだって」と言い返してきた。
俺は予想外の返事にちょっと面食らっているとAが「じゃあちょっと作業の前に周りを確認してみるか?」と提案
してきた。

飯を食い終わった俺達は、Aの提案どおり別荘の周辺をちょっと散策してみる事にした。
が、周辺を散策してみたが、草が生い茂っていて先に進めない場所などもあったにはあったが特になにもなく、
Bが動物の歩く音でも聞いたんじゃ無いかという話で落ち着いた。
その日はそのまま奥側の建物の片づけをし、もう1日くらいかかるんじゃないかと思ったが意外と早くその日の
うちに全て運び出せ、作業を完了することができた。

その日の夜、俺が寝ていると隣で寝ているBが俺を起してきた。
BはAも起したらしく、「こんな夜中に何なんだよ」と迷惑そうに聞くと、Bは「耳澄まして外の音聞いてみろ」と
小声で言って来た。
俺とAは何なんだよ…と思いながら聞き耳を立ててみると、ズズ…ズズ…と何かを引き摺るような音が聞こえる。
俺とAは顔を見合わせ、Bに「…何あれ?」と聞くと、「俺が解るわけねーじゃん、だから言ったろ?」と返してきた。

この怖い話にコメントする

夏休みのバイト