洒落怖
アケミちゃん

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部屋に着くとアケミちゃんは楽しそうに俺の部屋を物色し始めた。
「男の人の部屋てやっぱ結構散らかってるんだねー」とか言いながら色々見て周っている。
が、俺のほうは気が気ではない、今は機嫌が良いが、このあからさまなメンヘラちゃんが
いつ機嫌を損ねるか解らない、そして機嫌を損ねたら恐らく俺は殺される。
すると彼女は「部屋散らかっているし片付けてあげるね」と言い出した。

この状況だけ見れば物凄く「おいしい」シチュエーションだ、まるで付き合ったばかりの
彼女を始めて自分の部屋に呼んだような、そんな状況と言っても過言ではない。
しかし、部屋にいるのは巨大な中華包丁をバッグの中に隠し持ったコテコテのメンヘラ
さんであり、俺はメンヘラさんに捕らえられた哀れな獲物でしかない。

そんな事を考えていると、アケミちゃんは例のカチ、カチ…カチ、カチ…という音をさせながら
部屋の隅に無造作に積み上げられた雑誌やマンガやテキストやその他諸々を種類ごとに
わけて整理し始めた。
その時、恐らく彼女は髪の毛が邪魔に思ったのだろう、少し無造作に自分の首もとの髪を
かき上げた。

その時俺は信じられない物を見た。
アケミちゃんが髪をかき上げて見えた首筋に薄っすらと線が入っており、それは後ろの方まで
続いているのだが、丁度うなじの真上部分で「縁が欠けている」ような状態になっていてそこだけ
「ちゃんとかみ合っていない」としか見えない状態になっている。
そしてそのかみ合ってない部分が、アケミちゃんが動くたびにカチ、カチと鳴っているのだった。

813 8 sage New! 2012/04/08(日) 22:48:11.60 ID:D8CCaY6k0

一瞬の事だったが見間違いではない、明らかにアケミちゃんの首筋には「つなぎ目」がある。
俺は頭の中が???????でいっぱいになった。「なんだこれは?俺の目の前にいるのは
一体なんだ?」ここにきてアケミちゃんは危険なメンヘラさんであるという認識を改め、なんだか
良く解らない人間ではない何かの可能性が出てきた。

そんな事を考えながら俺がアケミちゃんの首元を凝視していると、それに気付いたのか「なんですかぁ?
恥ずかしいじゃないですか」とにこやかに笑いながら、また部屋の整理をしている。
その時、恐らく後で整理しようとしていたのだろう、棚の少し上のほうに置いてあったテキストや辞書
などがアケミちゃんの頭に落っこちた。
ドザッ!と大きな音がして、その後「いったー」と頭をさすりながらどじっちゃいました的な顔を
して俺のほうを見た。

が、その姿は異様だった。
首筋に入った線のところから明らかに首が「ずれて」いる。
アケミちゃんは「あー…」と言いながら首を元に戻すと、何事も無かったようにまた本や雑誌の
整理をしはじめたのだが、俺の頭の中はパニック状態だ。「一体あれはなんなのか」「俺は一体
何を見た???」意味不明すぎる、一つ解った事は俺の目の前にいる「それ」は明らかに人間では
ないということだ。

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  • 匿名 より:

    寿司食べたい

  • アケミちゃん