洒落怖
アケミちゃん

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逆らったら何をされるか解らない、おれは地面に座ったまま腰を少し浮かせポケットの中を
確認してみた。すると中に何か長細い物がある、乾電池?と思いながらそれを取り出すと、
街灯の薄明かりに照らされたそれは人の指のようなものだった。

「ううぇ!」

797 5 sage New! 2012/04/08(日) 21:44:40.34 ID:D8CCaY6k0

俺はまた情けない叫び声を上げてそれを地面に投げ捨てた。
が、投げ捨てて気付いたのだが、触った感触といい質感と言いどう見ても本物の
指では無さそうだ、どうやらマネキンか何かの指らしい。
するとアケミちゃんがにっこりと微笑みながら「捨てちゃダメだよー」と言いながら
指を拾い上げ目の前に屈みこむと、俺のポケットに指を戻し、そして耳元でこんな事を
囁いた

「次“私”を捨てたら殺すから」

俺は何か言い返したかったが、あまりの事に頭が真っ白になってしまい、ただ顔を引きつら
せることしかできなかった。
「ヤバイ、ヤバ過ぎる、こいつとんでもない、早くなんとかしないと殺される…」しかし頭の
中は完全にパニック状態、とてもじゃないがこの状況で冷静な思考などできない。
するとアケミちゃんは「こんなところで話しているのもなんだし、○○君のおうちいこ」
というと、俺の腕を掴み片手で引っ張り起した。
一応書いておくと、俺は身長175cm、体重は72kg、説明するまでも無いが、女の子が
片腕で引っ張り起せるような体格ではない。
とても10代の女の子とは思えない物凄い力だ。
798 6 sage New! 2012/04/08(日) 21:45:40.27 ID:D8CCaY6k0

あまりの事に唖然としている俺の腕を引っ張り、アケミちゃんはどんどん俺のアパートの
方向へと進んで行く、どうやら俺の住んでいる場所も既に突き止めているようだ。
その時気付いたのだが、また電車の時のようにカチ、カチ…カチ、カチ…とプラスチックの
ような硬い軽い物がぶつかり合うような変な音がしている、アケミちゃんはニコニコと
嬉しそうだ、そしてようやく気付いたのだが、どうやらこのカチ、カチという音はアケミちゃんが
歩くたびに鳴っているらしい。
その時はどこから鳴っているのかはさっぱり解らなかったが。

歩きながらアケミちゃんはかなり嬉しそうだ、そして俺の腕をしっかりと掴んでいて
離しそうにはない、俺は自宅につくまでになんとかこの場を切り抜ける方法を考えな
ければとあれこれ思考をめぐらした。が、そうそうそんな良い方法が思いつけるわけも無く、
かと言って文字通りありえないレベルの「怪力女」であるアケミちゃんを力ずくで
振り切るなど不可能だ、そしてなんら解決策が出てこないままとうとう自宅アパートに
到着してしまった。

812 7 sage New! 2012/04/08(日) 22:47:32.01 ID:D8CCaY6k0

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  • 匿名 より:

    寿司食べたい

  • アケミちゃん