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そうこうしているうちに電車が駅に着いた。
アケミちゃんはまだ電話をしているが、チラチラとこちらを見たりもしているので
うかつに動けない、目が合うたびに背筋に寒いものを感じながらも、愛想笑い
を浮かべながらタイミングを伺うと、発車の合図の音楽と同時に「ごめん、ここ
で下りるから」と一方的に言って電車を駆け下りた。
案の定、アケミちゃんは反応できず、電車はそのまま発車し行ってしまった。
ひとまず難を逃れる事ができた俺は、とんでもないものに出会ってしまった
と思いながらも、さてこれからどうしようかと考えた。
Aのアパートまではまだ結構距離がある、というかまだこちらに来て2ヶ月も
経っていない俺に、ここから目的地までの道順など解るわけもない。
かといって次の電車に乗った場合、次の駅でアケミちゃんが待っていたら
余計にヤバイ。
仕方がなく、俺はAに電話をして後で事情を話すからと住所を聞き、駅を出て
タクシーでAのところまで向かう事にした。アケミちゃんにもう一度出会うリスク
を考えたら、千数百円の出費のほうがずっと良い。
Aの家に着き、かなりほっとした俺は「おいやべーよ、なんかすげーのに合っち
まったよ、都会こええよ!」と大げさに、かなり興奮気味に3人に事の事情を
話した。
AもBもCも、当然全く信じてくれず、「嘘くせーw」とゲラゲラ笑っていると、
ピンポーンとドアチャイムが鳴った。
677 5 sage New! 2012/04/07(土) 01:13:57.44 ID:izNH2elO0
時間はもう夜の11時近く、こんな時間に来客など当然あるわけもない。
俺は「いや、まさかな…完全に振り切っていたし」と思っていると、Bが
冗談半分に「アケミちゃんじゃね?」と言い出した。
そこで自分で言ったBも含め、俺たちはそこ言葉を聴いて凍りついた。
というよりも、その言葉を聴いた俺が真っ青な顔で動揺しているのを見て
色々察したといった方が良いだろう。
Aが「おい、さっきの話マジなのかよ…」と言いつつ、ひとまずドアスコープで
誰が来たのか確認してくると言って、足音を立てずに玄関へと向かい、
暫らくすると戻ってきた。
そして俺たちに「すっげー可愛い子がニコニコしながらドアの前にいるんだけど…」
と言ってきた。
その間も何度もチャイムが鳴らされている。
それを聞いてCが「お前マジなのかよ…何で後つけられてるんだよ…」と言ってきた
が、そもそも俺にもなんで後をつける事ができたのかがわからない、俺は「ひとまず
ほんとにアケミちゃんかどうか自分の目で見てくる」といって、同じく足音を立てないように
玄関に向かうと、ドアスコープで外を覗いてみた。
そこには困惑気味な顔をしたアケミちゃんがいた…
これはかなりヤバイ、てかなんで着いてきているのかと、俺たちそんな仲ではなかっただろ?
ちょっと電車内で会話しただけだろ?理不尽すぎね?と思いながら、ひとまず部屋まで
戻ると3人に間違いなくアケミちゃんである事を伝えた。
そして4人でこれからどうするかを相談した。
寿司食べたい