洒落怖
牛の一言

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小学生の頃。
俺ん家の近くに牧場ってか農園があった(今はもう無いけど)
臭かったけど牛と戯れてるのが好きだった。
焼肉とか精肉業もしてて牛をその場で殺して肉にする事もしてた。
そんな折に殺される牛の入ってる牛舍でこれから肉になる牛をじーっと眺めてた。
最期だから後ろに生えてる菜の花でも食べさせてやろうと牛に背を向けたら

「・・・おまんがおらをくうのんか?」

って聞こえた。
最初、誰だ?と思って振り返ったけど誰もいなかった。
でも声の主が俺には一瞬でわかった。

その牛が確かに笑ったんだ。
にやぁ、って気持ち悪いくらい口角あげて、
「ひひひ・・・」って。
はっきり笑ったってわかるくらい。

俺はそのまま立ちすくんでて、農園のおじさんが来るまで気がつかなかった。気絶してたのかも。

気がついた後は顔を涙でくしゃくしゃにしながら農園のおじさんに事のいきさつを話したら、
「牛は食べてもらう人は選べんわなぁ。」
って話し半分に聞いて笑ってた。

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