洒落怖
陸鯨

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父の実家は旧Z村にあった。
堆肥臭やボットン便所が嫌でさー。
そんな旧Z村に長期滞在することになったのは、某事件のせい。
(この話には関係ないので別の機会にでも、、、)
家に住めなくなったのはショックだった。
父は転職するし、母や兄・私・妹の四人で父の実家に居候することになった。
盆と正月くらいしか帰省していなかったし。

中一の九月末の転校生・顔面包帯のせいで、
最初は「訳アリ」って感じでドン引きされてた。
事件のトラウマで軽い失語だったが、
上手く喋れるようになったのはAのおかげだ。
ヤンキーっぽいのに、学級委員やってて人気者。
AのダチBとCも仲良くなって、うちとけた。
D子、E子、F美はいつもフザけるA達に
小言をいいつつ、一緒に行動した。
「そういえば、三年のG先輩が夏肝試しに行って行方不明になったままだよねー」
F美がニヤニヤ笑って「うらめしや~」とかフザけはじめた。

135 前編byスケキヨ ◆XJhZIZhIRc sage 2011/12/18(日) 22:16:48.28 ID:OEz4iIQJ0
A、Bも「あれって、夜逃げじゃないのかー?」と興味をもった。
C「高校生のグループに混じって、置き去りにされたとかの話だろ?」
F美「E子ん家に昨日、警察来たんでしょ?」
E子「だーかーらー、一緒にいた兄貴に『心当たりあるか?』ってだけ」
D子「単なる聞き込みでしょ?」
F美「今朝から大人が騒がしいじゃん。G先輩の死体でも出たんじゃない?」
A「そういう言い方、止めろよ」
F美「村外れのどこかに肝試しに行ったらしいけど、私は地元じゃないしね」
私「そうなの?」
D子「F美も中学からこっちに移って来たんだよ」
B「F美はともかく。スケキヨ、御前も興味あるのか?」
突然の都落ちにも慣れ、ヤサグレた私はわくわくしていた。
雪が積もる前に、季節外れの肝試しが決行。
Z村の外れには山がある。
全てはE子が兄貴から聞き出して描いた「地図」にかかっていた。
A「おい、ここってさ」
B「あー、、、」
C「赤木家じゃん」

138 前編byスケキヨ ◆XJhZIZhIRc sage 2011/12/18(日) 22:28:45.48 ID:OEz4iIQJ0
肝試しっぽいなーと私はうかれてた。
F美「じゃあ、中入ろう。わお、二階建てだー」
赤い三角屋根の二階建て。
埃まみれの家具は散乱。カレンダーは昭和のまま。
天井の上、二階からドンと聞こえた。
C「誰か住んでる?」
D子「いったん、外出ようよ」
F美「私、見てくるよー」
外からガヤガヤ聞こえた。
E子「兄貴?」
D子「あっ、Xさん。こんにちはー」
X「母ちゃん、心配してっぞ。帰るぞ」
E子「来たばっかなんだけど」
X「とにかく、ここは何も無い」
C「三年のG先輩、ここで殺されたんですか?」
X「俺らは知らん。はよ帰るぞ」
F美が二階にあがったまま、戻って来ない。
外にはE子の兄貴Xの友達数名が叫んでいる。
皆で外に出ると、F美が泣いて窓をたたいてる。
おかしい。こんなにぼろい廃墟なら
泣き声や窓をたたく音が聞こえないわけない。
C「F美ー、演技してないで帰るぞー」
一瞬のうちに、F美が窓から消えた。
皆、怖くなって逃げ出す。

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