子どものころの怖い話
怒号

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158 お邪魔します sage 2008/08/12(火) 02:35:19 ID:dGA/L48T0
小学校時代だからもう10数年くらい前の話になる。

夏休み、俺は友人のターちゃんと学校の裏山で秘密基地を作って遊んでた。
裏山といっても山っぽくはなくて、松林が延々と広がってる感じだ。

松林に入って5分くらいのところに、松の枝とか太い枯れ木とかを
組み合わせて作った基地で、何をするでもなく日々は潰れてった。
実際、何をしていたかはあまり覚えていない。
夏休みもボチボチ終盤に向かい、
ジージーうるさいセミからツクツクホーシとヒグラシに
変わりだした頃だったと思う。

俺はクーラーの効いた部屋で、宿題の山に愛想つかして提出延期&踏み倒しの算段を練っていた。
ターちゃんから電話があった。
「松林の奥まで行ってみんか」というお誘いだった。
二つ返事でターちゃんちへチャリを漕いだ。
ターちゃんちは俺んちと学校(松林)の間にある。

159 お邪魔します sage 2008/08/12(火) 02:38:00 ID:dGA/L48T0
ターちゃんと合流して学校まで10分。
いつもの様にチャリを校庭に停め、裏の松林へと入って行った。

松林は真夏にも関わらず鬱蒼としてヒンヤリ…ということはなく、
やっぱりカラッと暑かった。地面は砂で歩きにくい。
スニーカーを履いてきたターちゃんは「暑い」とうなだれていたが
サンダルの俺は熱い砂がジャリジャリ入ってくるのが不快だった。

5分ほど歩くと俺たちの基地があった。こないだの台風で小枝部分が崩れてしまい、
太い柱くらいしか残っていなかった。
「補修せんといかんねー。」とターちゃんが柱を軽く小突きながら言う。
「もう休みも終わるからいいよ。他の奴にもバレてきてるしねー」と俺は先を急ぎながら言う。
正直、クラスの別の奴にもこの基地がバレつつあり、「秘密度」が落ちてきたことから
俺はここを見限るつもりでいた。

基地から先の松林にはあまり行ったことがなかった。
獣道すら無いようなところだったし、それ以上行ったら迷いそうな気がしていたからだ。
しかし今日はイク。
ン゙イックゥ!!!それが今日の目的だ。

160 お邪魔します sage 2008/08/12(火) 02:39:20 ID:dGA/L48T0
ターちゃんと俺は基地の残骸の枝を振り回しながら、邪魔な枝や草を払って奥へと進んでいった。

相変わらず松林はカラッとしている。松林は「鬱蒼」といった感じにはならない
(少なくともうちのとこは)うえ、
時間にして昼1時頃だったので、怖いという感覚はなかった。

帰り方も顧みず、ガンガン進む俺達。
しかし思わぬところで俺達の歩みにブレーキがかかった。

喉が乾いたのだ。
当時は、ペットボトルという気の利いた容器すらイマイチ浸透していなかった。
プルタブが取れる時代である。コーラのプルタブを集めて応募するような時代である。
飲み物を持ち運ぶという意識が俺たちは薄弱だった。
勢いでスタートを切ってしまい失敗することはいまだにあるが、
このミスはその走りであったように思う。

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