占い・おまじない、呪い
継呪の老婆

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 ふと、父の言葉を思い出した。「親戚も説得したぞ。それに・・・。」そう、
父は言った。「それに、もう生贄選びに苦しむことはないぞ。歯も舌も、粉に
する。町の食堂で、塩や胡椒に混ぜて誰かに食べてもらうから。10年もすれば
全て終わるさ・・・。」私は少し不思議な胸騒ぎを覚えたが、考えがまとまら
なかった。すぐに、そんなことは忘れてしまった。
自らの意思で犠牲にならなかったものは、永遠に渇きの中をさ迷い、新たな
呪いを引き起こしていく・・・。だから、呪はこれからも続くだろう。しかし、
今の私にとっては、あちらの世界の呪いなんて、ちっぽけなことだった。
この場所で、私はみんなと過ごすことができるのだから。    (完・・。)

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継呪の老婆