占い・おまじない、呪い
呪いの連鎖

この怖い話は約 3 分で読めます。

Aが実家に大急ぎで帰ったとき、すでに二人の兄が帰って来ており
通夜の準備に追われていたそうだ。

179 本当にあった怖い名無し sage 2007/05/25(金) 11:07:06 ID:vXN3Fb5U0
それから数日が経ち、葬儀も終え3人は久しぶりに実家で酒を飲んだそうだ。
その時に長男が二人の弟に語りかけた。「二人ともあの家の木を見たか?」
そう言われてAは次男と顔を見合わせて「何のこと?」長男に聞き返した。

根っこだけ残ってた木のことだよ、そう言われて二人はあの木のことかと
思い出したらしい。長男は続けた、「もう更地になってるんだよ。」
そしてあの木の根を掘り出したのが親父なんだ。それを聞いたAの中で
眠る忌まわしい記憶が蘇ってきた。

次男はいきなり怒気を強めて長男に食ってかかった。
「ふざけるな、じゃあ親父はあの木に祟られて死んだっていうのかよ、
ただ掘り返しただけで祟られるのか馬鹿げてるぞそんなもん」
しばらくみんな黙っていた。

Aは疑問に思ったことを口にした。「何で親父は木の根を掘り返したんだろ、
兄貴は何か聞いてない?」その問いに対して二人の兄は首を振るばかりだった。
長男は首を振りながら「掘り返した理由は俺にもわからん、だけど掘り返した後、
親父は突然死んだ。どうしても俺には偶然には思えないんだ」
次男は「兄貴やめてくれないか」そう言って話を遮ろうとしたが、
それでも長男は話を続けた。「昨日さ夢に親父が出てきたんだ。
俺を見ながら何度も、すまないすまないって言うんだよ」

それを聞いた次男は「何で兄貴の所だけに出て俺たちの所には出ないんだよ」
Aを見ながらそう語りかけた。その問いに対して長男から出た言葉に二人とも
驚いたらしい。「次は俺なんじゃねーの、だから親父は俺に謝りに来たんだろ」
二人はそれを聞いて押し黙った。その日はそれ以上そのことを3人とも
語ろうとはしなかった。

180 本当にあった怖い名無し sage 2007/05/25(金) 11:08:23 ID:vXN3Fb5U0
その後、長男の言った一言によって3人は今まで以上に、連絡を取り合うように
なったそうだ。
父親の死後、1年9ヶ月経った頃、突然長男と連絡が取れなくなった。
次男からもその連絡が来た。家に電話をしても嫁さんすら出ないとの事だった。
次男は不審に思い長男の勤める会社に電話したそうだ。
会社から返ってきた言葉は意外だった。1ヶ月ほど前に突然退社したと聞かされた。

二人はすぐに長男の自宅に向かった。
何度呼び鈴を鳴らしても誰も出てくることはなかった。不審に思ったのか
隣の住人が出てきて話を聞いてくれた。すると隣の人は笑いながら
「3人で旅行に出かけるって言ってましたよ」そう教えてくれた。
二人にはどうしても納得がいかなかったらしい。

この怖い話にコメントする

呪いの連鎖