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呪いの連鎖

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それから数ヶ月が過ぎ、最初の事件が起こった。
下校途中にAと3人の子供達が、あの家の大きな木の下に人が倒れているのを
発見した。4人で最初は寝てるのかとも思ったらしい。それでも気になって
他の子が親を呼んで確認させたところ、すぐに救急車が呼ばれた。
倒れていたのはその家の主人だったそうだ。すでに息はなく死因は心臓発作との
事だった。近所の人の知らせで農作業に出かけていたおばさんも呼び出され
すぐに病院に向かっていった。

176 本当にあった怖い名無し sage 2007/05/25(金) 11:03:20 ID:vXN3Fb5U0
子供だったAは震えていたそうだ。死体を見た恐怖と、あの晩のおばさんの
奇妙な行動が重なって余計に怖かったらしい。
それからおばさんは人が変わったように明るくなっていた。前とは比べられない程に。
でもおばさんの笑顔は長くは続かなかった。

その家には2人の息子がいたが、2人ともその家にはいなかった。
次男は人柄もよく真面目で結婚をして家を構えていたのだが、長男は父親に似て
酒乱がたたり定職にもつけなかった。
父親が死に母親の面倒を見るという名目で長男は家に戻ってきた。
おばさんにとっては今まで以上に辛い日々になっていったのだそうだ。

昼間から酒を飲んでは母親に暴力を振るい、近所から何度注意されても直る事は
無かった。母親に対する暴力に次男も何度も抗議に来ていたようだ。

数日が過ぎた晩、Aは家族で食事をしていた。すると玄関を激しく叩き
父親を呼ぶ声がする。声の主は隣に住むお姉さんだった。
「向こうの木の下に人が倒れている」そう言ってお姉さんが震えていた。
すぐに父親が確認に向かった。そして確認して戻ると救急車を呼び、
子供達に一歩も家を出るなと言い残してまた出ていった。

しばらくして救急車がきて騒ぎは大きく鳴り始めた。窓越しに確認すると
今度はパトカーまで来ていたそうだ。
その騒ぎは一晩中続いた。翌日の朝、殺人事件が起こったことを知った。
殺されたのはあの家の長男だった。鍬で頭部をめった打ちにしての殺害だった。
めった打ちにした場所は家の裏だったらしいが、最後の力を振り絞って
人の目に触れる、あの大きな木の下までたどり着いてそこで息絶えたらしい。
家にいたおばさんが自分がやったと証言したため、
おばさんは警察に連れて行かれたが、翌日の昼間に次男が出頭してきて
おばさんは家に帰された。地元の新聞では大きく報道されたそうだ。

177 本当にあった怖い名無し sage 2007/05/25(金) 11:04:49 ID:vXN3Fb5U0
次男の判決はさほど重くはならなかった。動機が母親を助けるためだったのと
周りの証言やもしかしたら嘆願書も出ててたかもしれないらしく、
刑は思いの外、軽くすんだそうだ。
次男の刑が確定したその日、おばさんは家の木で首を吊って自殺した。
Aは学校にいたため、事件が起こったことは家に帰るまで知らなかったらしい。

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