占い・おまじない、呪い
呪いの連鎖

この怖い話は約 3 分で読めます。

俺は病気のことは全く無知だからよく知らないが、進行の早い癌だと説明された。
余命3ヶ月、あまりにも突然の宣告だった。
Aは話を続けた。「呪いだよ」そう言い放った。俺はすぐさまあるわけ無いと
食ってかかった。Aも言い返す、じゃあ偶然にも俺たち家族はこんなにも
短期間の間に全員が死ぬのか!Aの目は怒りに満ちていたと思う。

話すうちに冷静になったAは、「お前に頼みがあるんだ」俺は出来ることは
何でもしてやるから、そう言った。今になればその言葉は言うべきでは
無かったと後悔している。Aの頼みとは彼女の事だった。
Aは学生の頃からBという女と付き合っていた。Aの彼女だから
俺もよく知っている間柄だった。本当に良い子なんだ。
Aにはお似合いの彼女だった。

「Bの事なんだけどさ、お前あいつを口説いてくれね」
それを聞かされた瞬間、俺は呆気に取られた。
Aが言うには病気のことを彼女に話した所、今すぐに結婚するんだって
言われたらしい。呪いのことは気が引けるらしく言えなかったそうだ。
まー言ったところで聞く耳もつ女では無いと思うが。

183 本当にあった怖い名無し sage 2007/05/25(金) 11:13:13 ID:79Ddwri60
俺は呆気に取られながらも言い返した。
「俺にも好みはあるんだよ、自己主張のきつい女には興味はない」
それでもAは「お前以外にそんなこと頼める奴いないんだよ」
そりゃそんなアホなこと頼めるのは俺ぐらいだろうけどさ、
それは無理な話だ。俺が俺のままの性格でBの立場でも
別れ無いと思うぞ。そう言ってたしなめた。

もしBが俺と結婚したらどうなると思う?Aはそう俺に問いかけた。
辛いかもしれないけど本人が望むことなんだから仕方ないだろう。
そう答えるしかなかった。
結婚して呪いがそのままBにかかったら俺は死んでも死にきれない。
Aの言葉は切迫していた。

納得いくわけはない。それでもAが呪いに拘るのであれば、Bと話してみようと
俺は思った。俺自身は呪いは否定している。それでもこれだけ続くと正直怖い。
俺が別れさせ無かったことが原因でBの身に何か起こったら。そう考えると
たまらない気持ちになった。

俺はそれからすぐにBに連絡を取った。強引に時間を作らせ会う予定を入れさせた。
久しぶりに会うBの顔は見るからに疲れていた。お互い笑顔など無かった。
「Aの事なんだけどさ」そう切り出した、Bは俺の話を遮るように
「別れる気はないから」その言葉に俺は次の言葉を見失った。
それでも何とか平静を装いながら「いきなりそれかよ」そう言ってBの顔を見た。
Bの目は真っ赤だった。Bにしてみれば俺が何の話をしに来たのか
大体は想像ついていたんだろう。Aの代弁を頼まれて来たのだろう事を。
しばらく二人は黙っていた。

「別れることはもう出来ないよ」いきなりBが切り出した。
「そりゃそれだけ長く付き合ってたんだから仕方ないさ」俺はそう返した。

この怖い話にコメントする

呪いの連鎖