洒落怖
都会の地下に潜む者ボリ

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うーー ヴ---- ヴヴーーーン キュア--

唸り声みたいな、モーターみたいな、何とも言えない音が微かに聞こえます。
「また地下鉄の音じゃねーの?前にもあったろ?」
「いや、地下鉄の音はもっと連続的だろ?」
「車の音かな?」
「行きは無音だったよな?」
「なんだこれ?」

ヴーーヴヴヴヴ ウーー キャアア・・・

音は不規則ながらも続けて聞こえます。
そして、なんだかこちらに近づいているようにも・・・

ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ

遠くから水音が聞こえます。
トンネルの真ん中には数cm程の水深で水が流れており、
それを踏みつけた時の音に似ています。

「どこかで水が漏れてるのか?」
「それにしちゃあ、音が不規則だよ」
「やばいよ、誰か来たんじゃねーか!」
35 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/06(金) 09:30:47.82 ID:ETH2J6TN0.net[4/7]
水道局か何かの職員が、マンホールから見回りに来たのかと思いました。

全員、ライトを消して息を潜め、音の様子を伺いました。

ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃぱちゃぱちゃ

足音らしく音はさっきより近付いてるようです。

「なあ、見回りに来たんなら、おかしくねーか?」
ひとりがそう言いました
「この穴、ほぼ真っ直ぐなんだから、懐中電灯の明かりが見えるだろ?」
「こんな暗闇の中、懐中電灯もなしに見回り?しかも深夜だぞ?」
たしかにその通りです

「暗視ゴーグル?」
「レンジャー部隊とか工作員じゃねえだろうな?」
「サバゲーでもやってるとか?」
「まさかw」
「そういうのなら、もっと音立てないでひっそりしてるだろ」

ヴヴヴヴヴーー! うううーーー! キャアア!

さっきより音は大きく聞こえました。
どうやら次第に大きくなっているようです。

バチャバチャ バチャ バチャ バチャ

水音もさっきより大きくなっています。
私は確信しました。
この音はこちらに近づいている。
しかも、人間だとすれば一人や二人じゃない。
36 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/06(金) 09:39:58.07 ID:ETH2J6TN0.net[5/7]
これは何か変だ。
皆も同じことを考えたのでしょう。
誰からというわけでなく、皆でライトを付けて入口の方へ走り出しました。

バチャバチャ バチャバチャ バチャバチャ

あちらの音はそう遠くない位置から聞こえます。
が、音のほうを照らしても何も見えません。

私たちが走ってる最中も、後ろから聞こえ続けました。

バチャバチャバチャバチャ ヴヴヴー ギャアアア ウウウー

ときどき立ち止まって耳を傾けると、
その音はペースを速めてこちらに近づいているようでした。

私たちは全力で走りました。

へとへとになって、もう走れないと思ったとき、入り口の明かりが見えました。
外へ出る為、わき目も振らずに猛ダッシュしました。

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