短くて怖い話
嫌がる子供

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身内から聞いた話

ちなみにD子とする。D子が入院していたときの話。

D子が入院していた時、2人部屋で、部屋の奥の隣は入院患者がおらずベッドは空いていた。
夜の消灯の後、D子が熟睡していた夜中3時頃だろうか、誰もいない筈の隣のベッドの付近で子供の声がする。
真っ暗な部屋で、子供は泣きながら母親と思われる人に訴えていた。「嫌だよー。行きたくないよー。嫌だよー。」

「いいから来なさい!」腕を掴んで引きずっている音だろうか。ズリズリ…ズーー…。と床から聞こえてくる。
「やめてよーー。やめてってばー。」子供の泣き声と懇願する声。
何事かと思ったが、D子は金縛りに遭っていて身動きが取れない。
カーテンは閉められていたが、D子は部屋の出口に背を向けて寝ていて、
出口付近のカーテンは少し開けられたままだったそうだ。
親子が出口付近まで来た時に「嫌だってば!」と叫び、母親の手を振り解いた子供が
出口とは反対方向に向いて眠っていたD子の腕を掴んだ。
その瞬間金縛りは解けたが、あまりに恐ろしくて振り向けず、「やめてよーーー。わーーーーん。」
と泣き叫ぶ子供は、母親に引き摺られて廊下へ出て行った。

これだけ子供が騒いでいたにも関わらず、その声を聞いた人は他におらず、
翌日、D子の腕には子供が掴んだ時の感触が生々しく残っていたという。

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