この怖い話は約 3 分で読めます。
みなさんは竿竹屋さんをご存じでしょうか。
「たーけやーあ、さおだけーぇ」
というアレです。
軽トラに竿竹を積み、とろとろと町中を巡回。
ましてや
「2本で千円。20年前のお値段です」
とまで言ってます。
みなさんはあの存在をどのように考えているのでしょうか。
ちょっと質問を変えてみましょう。
みなさんは、ここから竿竹を買ったことがありますか?
じゃなければ買っている人を見たことがありますか?
これが『石焼きいも』だったら、買ったこともあるし買っている人も見たことはあるでしょう。
なのに竿竹に限っては・・・?
ここで、オカシイと思ってしまったのが運の尽きでした。
二本で千円という破格値。
人ひとりが車を運転して巡回する人件費、車の管理費、ガソリン代・・・etc.
どう考えても商売として成り立たないのです。
なのになぜ竿竹屋は日夜、町中を巡回しているのでしょうか。
ここで洞察力のある方はもうお気づきのことと思います。
そうです。
目的は別にあるのです。
ここで、話は変わりますが、実は、先日おいらの住んでいる近所・・・
200m圏内で殺人事件があったのです。
アパートに一人暮らしの女性が部屋で刺殺された、とのこと。
ここで、奇妙な一致に気付いてしまったのです。
いつもはあまり来ない竿竹屋が、この日以後は頻繁に巡回しに来ている、と。
これはどう考えてもおかしいでしょう?
気になってしまったので、とうとう様子を見に外へ出てしまいました。
そこで、おいらは
『試しに竿竹屋から竿竹を購入してみては?』
と思い立ち実行に移してみました。
正直なところ、竿竹なんていらないんですが。
そして天気のいい昼下がり、ヤツはやって来ました。
「たーけやーあ、さおだけーぇ」
・・・来た。
急いで外へ飛び出し、車の横へ。
運転手はキャップ帽を目深にかぶった40代くらいの男性。
「すいませーん。一本ください」
・・・すると、運転手は何ごとか?
といった表情を見せ、一瞬辺りをきょろきょろとし始める・・・
やがて思いついたように
「あ?ああ、竿竹ね?買うの?はいはい~」
と、車を止めました。
荷台から竿竹をほどく。
やたらと手際が悪い。
見てるこっちがイライラする。
思わず
「こうしたらいいのでは・・・」
と口を出してしまうほど。
「あー、はいはい」
と生返事な運転手。
というわけで、むき身の竿竹一本ゲット。
いらん~。
そして運転手とのコミュニケーションを試みる。
ま「売れ行きはどーですか?」
運「いやー、ぼちぼちかな」
ま「失礼ですけど、これで商売になるんでしょうかね(^^;)?」
運「ん?いやー。まぁねぇ。ぼちぼちかなー。」
ま「一日にどのくらい売れるんですか?」
運「いやー。ははは。いや、俺は臨時でやってるからねー。よくわかんないんだよ」
ま「そーですか。がんばってください」
興味本位で首突っ込んだお前が悪い