洒落怖
トンネルにて

この怖い話は約 3 分で読めます。

158 前スレ>>933後日談 sage 2006/11/03(金) 15:18:16 ID:V0jk0lgW0

先輩と始めての肝試しをした翌日、車に同乗していたMが俺の家に訪れた。
「なんか、変なんだ。」と電話で話していたように、顔色が悪い。昨日の事を引きずってるのか?
「昨日寝てる時、夢を見たんだ。それが変な感じで・・・。」
そう言うとMは、携帯電話を取り出し、話を始めた。
「夢の中で、ず~っと携帯が鳴ってるんだよ。すごくうるさくて、耳にガンガン響いくんだ。
思わず目が覚めた。汗をビッショリかいてたけど、慌てて携帯を確認した。」
俺はいつしか身を乗り出して聞いていた。幽霊を信じてないとはいえ、オカルトな話は好きだった。
「ふんふん、それで?」
「・・・何も変化はなかった。」「はぁ?」
落胆した。それだとただのおかしな夢を見たと言うだけじゃないか。
そう言ってソファにどかっと座った俺を見ながら、Mは全く動じずに続けた。
「違うんだ。その後、もう一度眠りについた。やはり携帯が鳴り続けている。
だけど今回はあまり耳に響くというようなことはなかった。むしろ心地いいぐらいだった。
急に、その電話を取ってみたくなった。通話ボタンを押して、耳にあててみた。」
俺はこの辺りから少し不気味な感じに襲われていた。
先輩と俺、そしてT先輩とMというと、これから何度も心霊スポットを訪れることになる4人組だ。
そこで何度も心霊現象(時には思い違いもあったかもしれないが)を体験することになるが、
大抵何か起こる時に俺は悪寒を感じる。何も起こらない時もあったし、悪寒を感じずとも何か起こったこともあった。
だが、恐らく7~8割の確率でその予感は当たっていたように思う。
しかしこれは先輩のせいだと思う。現に、何度か先輩がいない時に肝試しを敢行したこともあったが、
何も起こらないことが殆どだったし、何か不可解な現象が起こったときも悪寒は感じなかった。
その感覚が今俺を襲った。この頃はまだ気付いていなかったが、これは先輩がいない状況での最初で最後の悪寒だった。

159 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/03(金) 15:18:47 ID:V0jk0lgW0

「風の音が聞こえるんだ。ヒュー、ヒューって。それがずっと。俺は震えてた。
また目が覚めた。今度は確認する気が起きなかったが、何故か吸い寄せられるように携帯を開いたんだ。
留守電が一つ残ってる。聞いたことのない番号だった。再生ボタンを押すと・・・想像の通り。」
とりあえず聞かせてくれ、と頼んだが、怖くなってすぐに消してしまったという。
嘘をついてるような感じではなかった。そもそも、昨日あんな目に遭っておいてこんな嘘がつけるだろうか。
先輩ならともかく、Mは普通の人間だ。そんな図太い神経は持ち合わせていないだろう。
「とりあえず、Yさんに相談してみよう。」と提案した。俺の手に負える話ではない。虫歯が出来たら歯医者に行くべきだ。
先輩の家は俺の家からものの数分、自転車で行けば数十秒のところにある。
連絡をとり、今から来てもOKだというので、お邪魔することにした。
この時先輩の部屋に初めて入ったが、意外にも普通の部屋だった。
流行ってる音楽のポスター、清潔そうなベット、最近不調なんだと嘆いていたプレイステーション・・・
いたって普通の大学生の部屋だ。俺はMが体験したという話を詳しく話した。

この怖い話にコメントする

「トンネルにて」と関連する話(洒落怖)

トンネルにて