洒落怖
奈落

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760 本当にあった怖い名無し 2009/09/11(金) 01:12:23 ID:3mUWYeat0
実際に高校生の時に体験した出来事を話そうと思う。
この話を見て信じるか信じないかは人それぞれだと思う。
一つの言葉をとってみても捕らえ方が人それぞれだから。

体験したのはオレ自身だから、オレの中でそれが本当にあったということが一番重要だとおもう。
前置き長くてスマソ。下から本文で。

これはまだ、オレが高校1年生だった時の話。
中学生の頃に演劇部に興味があったんだけど、親父が厳しい人で中学校では演劇部に入る事は許されなかった。
だからオレは高校生になったら部活はオレの自由にしてくれるという条件で中学は陸上部に入っていたんだ。
やっと高校に入ることができ、自分のしたかったことができる喜びをオレは知った。

オレが入っていた演劇部は年に3回の公演があった。
1つ目は春に行われる先輩達の引退公演。
2つ目は秋に行われる地域公演。
3つ目は学校で行われる学園祭公演だ。

とても楽しい時間が続いた。やりたくないこととやりたいこととではこうも気持ちが違うものなのかと心底思った。

それは、2つ目の公演へ向けて準備が始まった時のことだった。

763 本当にあった怖い名無し 2009/09/11(金) 01:38:12 ID:3mUWYeat0

オレの部活では、年3回の公演の引退公演を除いた2公演で裏方と演じる側に別れるようにする。
これは全員が舞台にたてるようにという配慮からだ。
オレはこの2つ目の公演で演じる側を行うことになった。
初めて自分の台詞を与えられたオレは意気揚々と練習にいそしんだ。
学校にくる=部活をするため。

日にちもどんどんと進みいつものように練習にいそしんでいたある時、K先輩がオレに話しかけてきた。
「台詞はほとんど覚えられた?」
「はい、大体は。」
「そうかー。オレはまだ全然だよ(笑)頑張んないとなぁー・・・・」
あまり覚えるコトが得意ではないK先輩だったので、結構深刻そうな顔で台本を見つめていた。
「ところでさ、お前知ってるか?ここの話。」
唐突にK先輩は台本をみていた顔をあげた。
「ここの話?ってこの建物の話ですか?」
「そうそう。知ってる?」
オレ達がいつも演技の練習をしている場所は広い講堂のようなところでその中にある舞台を使わせてもらっていた。
「いえ、何も聞いてませんけど。何かあるんですか?」
すると、まるでいたずらっ子のような顔をしながらK先輩は答えた。
「でるんだよ、ここ。」
「でるって、このパターンだとアレですか。」
「そういうこと。詳しく話してやるよ。」
というとK先輩は話を続けた。

「この建物っていうか、うちの学校の敷地は戦争やってる時に軍の駐屯基地があったんだよ。で、近くにM市とかN市があるだろ?そこの空爆とかで亡くなった人の死体とかも置いてたのな。
よくある話だけどさ。それでこの舞台の話しになるんだけど、奈落ってわかるか?」
「いえ。なんですかそれ?」
「奈落ってのは、舞台の下にある通路の事だよ。よく役者さんとかが右に消えて左からでてくる時あるだろ。あれは大体は舞台の下に通路があってそれ通ってるんだよ。
その事を奈落って呼んでるんだ。で、その奈落が問題なんだよな。」
「話しの流れだとよくでるってことですか?」
「そういうこと!物分り早いねぇ~。T先輩とN先輩いるだろ?なんか戦争の劇をやろうとしてサイレンの音を鳴らしてたら、急に奈落から風が吹いて気分わるくなったんだってよ。
お前今回の劇で奈落通ることになってるから気をつけろよな。」
そう言ってK先輩は笑っていた。

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