洒落怖
トンネルにて

この怖い話は約 2 分で読めます。

161 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/03(金) 15:21:01 ID:V0jk0lgW0
「夢の中で僕の電話が掛かってきたってのはわかる。実際に掛けたんだから、横で携帯が鳴ってることになる。
現実世界での現象が夢の中に現れるのはよくあること、ってことは君もTVやら何やらで聞いたことがあるだろう。
だけど、まさか夢の中で電話に出ちゃうとはね・・・。」
俺はこの時、Mがここに居なくて本当によかったと思った。俺がアイツの立場なら発狂しかねない。
「僕もこんな事になると思ってなかった。いや、確かに何か起こるかもしれない、とは思ったけど・・・。
夢の中で僕の留守電を聞いた。しかも現実に残したメッセージと同じ内容を、だよ。」
マジで怖い。この世で一番怖いのは幽霊ではなく人間だ。というのは間違ってない。
「それで、アイツには伝えるべきですかね?」
「う~ん、もう彼は単なる悪夢だと思ってるだろうし、別にいいんじゃない?多分害はないし。」
それだと今日一番損をしたのは俺ってことじゃないか。
なんで一番無関係な俺がここまで怖い思いしなきゃいけないんだ・・・。
「まぁ、Mがそんなに霊に敏感な奴だとは思わなかったし・・・予想以上に怖がってたもん。もうやらないよ。」
嘘だ。この笑みは絶対に嘘だ。この人はまたいろんな悪戯を打ってくるはずだ。次の標的は俺かもしれない。

この日からしばらく、眠るのが怖かった。

この怖い話にコメントする

トンネルにて