洒落怖
花束

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167 本当にあった怖い名無し New! 2007/02/19(月) 02:08:08 ID:HMM22o2a0
・・・ピリリリリリリ!!ピリリリリリリ!!
今度は友人からちゃっかり着信である。何だこの未体験ゾーンは!?
「もしもし!?」

『あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

絶叫。友人の声ではない。受話器から耳を離す。それでも続く女の絶叫。
常人の肺活量では続かない長さである。友人が無事では無いことを悟る。
「くっそ!」
今すぐ友人のもとへ行かねば、取り返しのつかないことになる!
もう遅いかも知れないが・・・
『あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』
―プツリ・・・
絶叫が響き続ける携帯を切り。俺は橋の反対側、友人のもとへ走った。
欄干の傍は通りたくないので、歩道ではなく車道のど真ん中を疾走する。
数少ない街頭の間と間にある、その深い闇に何かが潜んでいそうで、
走りながら恐怖で気が狂いそうだった。

172 本当にあった怖い名無し New! 2007/02/19(月) 02:26:37 ID:HMM22o2a0
そして、橋の中間点に差し掛かった時、正面の暗闇から黒い影が
すごい勢いで接近してきた。
―!!!
友人を助けることなど一瞬で忘れ、来た道をダッシュで引き返す俺。
あの影ナニ!?どんだけ奇襲かけてくんだよ!!

(うおおおおおおおおおおおお・・・!!)
走りながら涙と鼻水と小便を垂れ流すような経験は、
後にも先にもこれが最後であってほしい・・・
影はまだついてきており、足音が聴こえる!が・・・
「お~い!何で逃げんだよw」
背後から友人の声である。影の正体は友人であった。
門限をとっくに過ぎていたため、怖いながらも意を決して、
こちら側に走ってきたそうである。
「イヤお前・・・さっきの電話で来てくれ来てくれ言ってたくせに・・・
しかも圏外で・・・出たら絶叫って・・・」
今度は俺が激しくテンパる番であった。
「電話って・・・自転車のカゴの、バッグの中だけど?」
コイツこんな状況で脅す気か?とでも思ってのか、不審そうな表情で
答える友人・・・
(・・・え?・・・だとすると・・・俺が友人だと思って通話してたのは・・・)

198 本当にあった怖い名無し New! 2007/02/19(月) 15:24:48 ID:HMM22o2a0
>>172続きね。マジややこしくてごめん!w
それから俺達はとぼとぼと二人で歩いて帰宅した。自転車を失い、小便臭い俺と肩を並べて歩く友人が不憫でならなかった・・・
疲れきったお互いに会話は無い。
―夜道を歩きながら考える。
(もし・・・橋を渡りきっていたら一体何が待っていて、俺はどうなっていたのか?)
また小便を漏らしそうになった。が、漏らす小便も既に尽きていた・・・

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