洒落怖
花束

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「ねぇ、あの橋ってさ、昔から良くない噂とか歴史とかあった?」
後日、俺は地元の地理と歴史に詳しい爺ちゃんに訊ねてみた。
「あぁ、あの周辺は、コレなんだよ・・・」
爺ちゃんはそう言って、親指を曲げて四本指を差し出した。
―四ツ、四ツ脚・・・

199 本当にあった怖い名無し New! 2007/02/19(月) 15:29:56 ID:HMM22o2a0
かつてそう呼ばれた身分の人々がいたのを、皆さんはご存知だろうか?
今もいるけどね・・・
まともな職に就けないそういった人々が、当時どんな仕事をしていたか?
「四ツ脚」つまり食用の家畜を扱う仕事の他に、俺の地方では河原の
「砂利拾い」が主だったようである。
良質の河砂利は、建設業者に高値で買取られる。
当然、骨身を削って「砂利拾い」をする輩が現れる。
だが、当時のそこはダムさえ無かった流れの荒い河原で、年間を通して
水死者が多発したそうである。
その後、ダムが建設され水量が安定したのを機に、一つの橋が架けられた・・・

以上が爺ちゃんから聞いたハナシ。
更に不気味だったことが一つ・・・
あの日橋の上で拾った謎の紙。それを俺も友人も、知らず知らずのうちに、
ポケットに詰めて持って帰ってきていたのである。
紙は二人で燃やして、自宅の玄関と部屋に軽く塩を撒いておいた。
現在、特に変わったことは何も無いし、爺ちゃんの話してたことが、
橋の怪奇現象と関係しているのかも分からず仕舞いだが、
とにかく俺も友人も、二度と車以外であの橋に行くことはなくなった。

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